横浜のマンション傾斜問題。パークシティLaLa横浜は杭打ちデータ偽装で衝撃が走りましたが、そのマンションで全棟建替え希望が74%の住民が希望しているというニュースが出ていました。

マンション建替えには区分所有者の五分の四の賛成が必要になります。
その数字には若干及びませんが、その数字に近い数字が出たんですね。

もちろんこの数字は議決したわけじゃないのであくまでアンケートベースなんですが。
正式に決議を取ればクリアするかもしれないですね。

今回のケースは別にして、築40年、45年経過したマンションもたくさんあります。
そういったマンションでは建替えの必要が出てきているマンションでも、多くの場合この五分の四という数字はクリアできません。

建替えに際しては一時金の捻出が必要になるからです。
お金の問題だけではなく、建替えの際の転居先の問題。住み慣れた地域から離れる不安というのが高齢者には付きまといます。
心配するのは建替えが終わっても果たして健康な状態で戻ってこれるのかという問題もあります。
取り壊し、再建築には3年も4年も時間がかかってしまいます。
立地的にとてもいいマンションなら、デベロッパーが希望者から買取り再建築する方法もあるのでしょうが、そんなマンションばかりではないですからね。

なので、高齢者ばかりがマンション内に残り、若い方は賃貸に転用したり、空き家のままで放置しているマンションも存在しているのです。

この五分の四という数字が低い数字なのか、高い数字なのかそれぞれ当事者にとって違った見解があるのも事実です。

杭打ちデータ偽装など売主に問題がある場合は補償もつくでしょうから建替えの際にも一時金の捻出の必要はないかもしれないですね。
でも、そういった話も含めて議論しないと結局は何も進まないような気がします。

お金は出したくない。転居の間の家賃は負担してもらう。というなら建替え希望になるでしょう。
でも、その家賃が満足いくものでなかったら?
一時金を出す必要があればどうでしょう?
今回の傾きが大きかった棟に関しては建替えや買取りという話は出ていましたが、他の棟はそんな話は出ていませんでしたもんね。
なので、この問題は簡単には解決しないように思います。
他にも杭打ちデータの偽装問題は次々に発覚していっていますが、そのマンションはどうなるのでしょう?

ここをきちんとクリアしていかないとマンションに対しての信頼が大きく揺らぎますからね‥

もっとも、戸建のデータの方がもっともっと怪しい気はしますが‥

いずれにせよ、不動産関係、建築関係の信頼を取り戻してもらえるような解決を望みます。

ここがいい加減のままなら、そもそもの建築基準法自体が意味をなくします。

不動産にかかわる人間のモラルが問われていますね。

やはり自己防衛しかないんでしょうね。
自ら不動産や建築の知識を身につけることが大切になる世の中になってきているかもしれませんね。

アメリカでは弁護士や医師に並ぶくらいステータスの高い職業として不動産業も認められています。
これは不動産業自体がエージェント、インスペクターなどの専門家など各分野のプロフェッショナルが分業で担当するからなのですが。
日本の不動産会社は建築から販売、住宅ローンまで全て一社で賄おうとしますから、どうしてもプロフェッショナルでない部分も引き受けてしまうところもありますし、そこは専門じゃないからと平気で言ってしまうところがありますから信用性に大きくかけてしまうんですね。

不動産も建築と同じように分野に分けて免許の種類を許可制にすべきなような気はします。
そうすることによってお客様も混乱しませんし、安心して任せることができるようになるかもしれませんね。

いずれにせよ失った信用を取り戻すためには抜本的な改革が必要になりますね。

そういうことに気づいて業界が変わってくれればいいんですが、まだまだ先のことになるのでしょう‥

私がこの業界に入る前に、『不動産業っていうのはアメリカでは弁護士、医師に並ぶような立派な仕事なんだよ』と教えられ、カッコいいと思ってこの仕事を選びました。

そのようなカッコいい仕事をできるために一生懸命頑張ってきました。

そういう業界にこの業界がなれればいいなといつも思っています。

なれるのかなー?

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