昨日テレビを見ていると、プラモデルを輸出販売している会社の社長さんが紹介されていました。

これは日本で作られているプラモデルの精度、クオリティが高いので海外に輸出したら面白いのではという発想で始めた会社が今や年商30億になったという話でした。

日本では当たり前のものが海外では当たり前でなく、貨幣価値、モノの価値も当然国によって変わるわけですから商売になるということなのですよね。

今では海外の商品もネットで手に入れれる時代ですし、こういった流通の仕方もまだまだ変化はしそうですね。

相手が求めるものを提供するというのが仕事です。
お客様が求めているものを提供できれば商売になります。

なので、商売をするときにまず考えることはお客様のニーズを掴むことです。
世の中で何が求められているかということを考えると自ずと答えは見つかります。

私は不動産業なので、どうしても住宅に関わることで物事を考えてしまう習性があります。
仕事をしている中で疑問に感じることがあったりすると、深く掘り下げて考えます。

今疑問に感じていることは、不動産の仲介手数料のことです。
例えば300万円の物件を仲介したとしたら、法定の上限仲介手数料は14万円と消費税になります。
これが3000万の物件の仲介なら手数料は96万円と消費税になります。

3億円なら906万円と消費税。
やる仕事って正直変わらないのですよね。
物件の調査をして、重要事項説明書、売買契約書を作って決済を迎える。

3億円の物件より、300万円の物件の方が調査がややこしかったりもします。

大手の不動産会社では少額の物件は売上も低いので、新入社員に任せたり、業者に販売して、さらに転売してもらえるように取計らったりという流れになることもよく見られます。

でも私のように1人、2人の少人数でやっている会社にとっては3000万の物件の仲介手数料って確かにありがたいのですが、そんなに要らないよと思う気持ちも強くあります。

これが両手取引になればさらに倍になるわけです。

世の中にこれだけの手数料がもらえる仕事ってどれだけあるのでしょう?
弁護士さんの報酬は成功報酬とかの取り決めがあるので、もっと多額の手数料がもらえるケースもありますよね。
税理士さんの報酬も依頼内容によっては同様のことがあるでしょう。
でも、なかなか100万近い報酬って頻繁にはないですよね?

でも不動産業者では当たり前なのですよね。
多くの仲介会社では、お客様を呼び込むために多額の広告宣伝費を使います。
3000万の物件が売れれば100万ちょっとの仲介手数料が入るわけですから、広告宣伝費にお金をかけても回収できるわけです。
昔はインターネットなどありませんでしたから新聞折込のチラシでした。

今でも新聞折込はありますが、新聞を取っている家庭が減った影響で費用対効果が落ちてしまいました。
そういった中インターネットがどんどん普及し、ポータルサイトに広告宣伝費を投入するというケースが増えました。
今では毎月ネットの広告宣伝費で1000万以上も使っている会社もあります。

それでもたくさんのお客様が来店してくれればその費用は回収できるわけなのでどんどん加熱していくわけです。
そういった成功事例を聞くとマネをする会社も出てきますし、そこに負けないようにさらに拍車がかかったりします。

結局誰が儲かっているの?
ポータルサイトを運営している会社ですか?
ポータルサイトを運営している会社も多くの不動産会社に広告宣伝費を落としてもらっているわけですから、ネット広告やテレビCMなどに大金を投下します。

結局そういった費用は誰が出しているのかというと、消費者のみなさまなわけです。

これって本来は必要のないお金なのですよね。
流通の形が変われば経費が削減できるわけですし、その分消費者が負担していた費用も軽減できるはずなのです。

食品や服飾、電化製品でもそうですが、流通の形が変わったら価格は大きく下がりました。
この場合は中間に入っていた会社のマージンが削除されたわけですが。

不動産でいうとどうでしょう?
中間業者は仲介業者です。
多くの仲介業者はレインズと言われる業者向けサイトで物件を登録し、そこからの情報を元にお客様に物件を紹介します。
このレインズが一般公開されないのは、他の業界の卸値が一般顧客に見えないようにしているのと同じですよね。

不動産の流通の形も当然変わることが予測されます。

Yahoo!や楽天、アマゾンなどがもし本腰を入れてこの流通の形を変えようとしたらどうなるでしょう?

今Airbnbのサイトでは、海外のゲストと日本国内で民泊を運営するホストが直で繋がっています。
ここで発生するのは宿泊するゲストが宿泊料の6%、ホストが宿泊料の3%を支払っています。
これだけです。
仮に賃貸マンションの仲介をそれらのサイトが行うとして、家賃保証付で家賃の3%を毎月支払う。
成約時にはお金はいただきませんとなるとどうでしょう?
既存のオーナーにしてはとてもありがたい話ではないでしょうか?
今賃貸マンションを契約する際には、入居者は仲介手数料として家賃の半月分、そして家賃保証の保証会社に家賃の30%〜100%ほどの保証料を支払います。
この仲介手数料が必要なくなって、毎月家賃の3%だけを支払うとなれば負担は変わりません。

あり得る話ですよね?

借りる側としてもインターネット上で契約が完了するとすれば地方から出てくる学生にとってはありがたい話になるでしょう。
家族で部屋探しのために東京や大阪に来るとなれば宿泊料、交通費の出費もバカになりません。

お客様が必要としているニーズがあるというならば、それは実現するものではないでしょうか?

不動産売買の場合は金額が大きいので無理ではという声もあるかもしれません。
でも、海外からの不動産投資家はどう思っているでしょう?
同じように宿泊料、交通費を考えるとネットで完結したら便利だよねという声も聞こえてきます。

投資用ワンルームなどでは、実物を見ないで契約するというケースも多くあります。

ここにもしっかりした需要があるわけです。

そうなれば必然的に変わりますよね?
これが3年後なのか、5年後なのかは分かりませんが。

いずれにせよ消費者、貸主、借主、売主、買主にとってはいい話かもしれません。
でも不動産仲介業者にとっては死活問題です。

ネットで契約が完結するとすれば営業マンは必要なくなってしまいます。

不動産会社としたら経費を投入する先が変化します。
会社に常駐している営業マンが必要なくなり、在宅勤務でもよくなるわけですよね?
営業力よりも語学力が優先されたり、主婦でも自宅で仕事をすることができるようになったりするかもしれません。

こういう変化していく過程で自分がどういう動きをしていくのか?
自分でできることはどういうことなのか?
そして、自分が求められるものは何なのか?
それを意識して行動していくことが大事になりますよね。

仲介手数料の話に戻りますが、賃貸でも仲介手数料無料という会社が増えました。
でもオーナーに対して手数料を割引く会社って少ないですよね。
売買の話でも、売主の手数料を割引く会社は増えました。
逆にローンの厳しいお客様に対しては正規の仲介手数料プラスローン手数料をもらう需要もなくなりません。

同じ物件を販売する際にも、一回見に行ってすぐ決めてくれるお客様、ローンでなくて現金で購入するお客様など千差万別です。
住宅ローンの金利もお客様によって異なるわけですから、手間によって仲介手数料が変動してもいいわけです。

そう考えると仲介手数料の報酬もあくまで上限が定められているだけなわけで、それ以下の金額ならばオッケーなのです。

そういう考え方をする業者さんもこれから増えてくるかもしれないですよね。
業務をシステム化して、経費を削減できることができれば十分可能になります。

例えば中古マンションの売却ならば、同じマンションばかり売却していると、物件調査や重要事項説明書の作成も手間が省けます。

現に私が住んでいるマンションなら、売却依頼をいただいても仲介手数料はおまけしています。
だって手間がかからないんですもの。

取扱う物件を絞り込めばそういったことも可能になりますよね。

中古マンション専門で取引している不動産会社もあったりしますが、そういうことなのでしょう。

今ポータルサイトなどでは、賃貸仲介会社では登録件数500件くらいではお客様からの反響が取れなかったりします。
リアルタイムの情報を1000件、2000件登録しようとすると、営業マンは朝から晩まで入力作業に没頭します。
これもナンセンスな話です。

流通の形が変わればこういった仕事の流れも変わるかもしれませんね。

いずれにせよこれからの時代は企画力のない営業マンは厳しい時代になるでしょう。
営業力というのは必要なくなるでしょう。
そうなれば必要とされる人材といえば、安定した顧客を持っている営業マン、お客様に新しいことを提案できる営業マンということになります。

なので、このブログを読んでいる不動産営業の方がいらっしゃるならば、是非勉強してください。人脈を広げてください。
そして新しいことを提案できるように発想力を磨いてください。

5年後、10年後どこかでお会いして、一緒に仕事ができるように。

もちろん自分自身もいろいろなことを吸収して進化していきたいと思っています。

今年も新しいことに挑戦していく一年に位置付けています。
といっても来年も言ってそうですが(笑)

というわけでこれからもどんどん情報発信していきますので、よろしくお願いします。