民泊最大手のAirbnbが日本の最新市場データを公表しました。
その中で『日本はゲスト数で世界第5位。Airbnbゲストの中で、世界で最も行ってみたいデスティネーションの一つになっている。』もいう話しているそうです。
日本の平均貸出日数は101日、平均年収は122万円というデータも発表しています。
昨年度Airbnbを利用して海外から宿泊した旅行者数は138万人に及んでいるそうで、これは日本全体の訪日旅行者数の約7%になります。
相変わらずホテルや旅館の予約状況は一杯なので、まだまだ拡大していきそうですね。
Airbnbは今回の報道発表の中で、税金収納についても言及しています。
先日はハワイでの民泊に対して宿泊税を代理収納するというニュースがありましたが、日本でもその辺りを切り札に市場開拓に拍車がかかるのでしょうか。
平均収入122万円というのもそこに対しての税収が見込めますよという布石ですよね。
日本で考えられる税金となれば、所得税、住民税の他に消費税というものが含まれます。
業として行う収入に対してなので、消費税は免れないかもしれません。
そうなると収入の8%?
いえいえ。
収入を得るために発生した経費分は控除されますので、実質的には利益分に対しての8%というざっくりした認識でもいいのではないでしょうか。
こうなると部屋を賃貸しているオーナー様の家賃収入にも課税されることは考えられます。
課税されると聞くと悪いことばかり想像してしまうのですが、そうでもないことって結構あるのですよね。
この辺りはまた懇意にされている税理士さんにでもお聞き下さい。
話は戻りますが、所得税、住民税が課税されるということになれば運営しているホストの収入によって税率は大きく変わります。
不動産収入というものは、給与所得と合算されますし、累進課税が適応になります。
年収300万円の人と年収1500万円の方では課税される税率が変わりますので、年収の高い方が始めるなら不動産法人を立ち上げるか、配偶者名義で始めるなど税対策も必要になってくるかもしれませんね。
日本にもたらす経済効果5000億円とも言われているAirbnb、今までは闇民泊の悪の巣窟のような扱いでしたが、これを契機に日本でも表舞台に登場してきそうです。
このAirbnbはアメリカでは『雇用者が選ぶ最も待遇の良い米国企業』というランキングでGoogleやfacebookを抜いて1位に輝いています。
なのでアメリカ国内での知名度、企業規模は抜群です。
民泊が完全解禁となれば日本の企業もこの市場にはどんどん参入しそうです。
昨日のブログでも触れましたが、日本国内の旅行に民泊が利用されるようになれば、東京・大阪・京都だけでなく地方都市や地方の観光名所なども活性化しそうです。
そう考えると大阪や東京だけにとらわれず、民泊に積極的な地方都市で民泊運営というのも面白いかもしれません。
農業体験やそば打ち体験、お城見物に山登り。自治体のアナウンス次第ではあるでしょうが、観光誘致に積極的な自治体であれば面白い展開も考えられますね。

一般の賃貸もこれからは感覚が大きく変わってくる可能性もあります。
今までのように箱だけを提供するという賃貸から、家具から家電、生活道具から寝具、全てがセットになってそのまますぐに生活できるような部屋とか、部屋ごとにイメージの違うテーマのある部屋。ミッキーマウスの部屋や、ゴージャスな部屋、女の子らしいお姫様のような部屋。
こういったテーマを持った賃貸の部屋というものも登場するかもしれません。
少子高齢化の世の中ですから、普通に賃貸として貸し出すだけではもう頭打ちです。
人間の数より部屋の方が多くなれば、魅力ある部屋作りをしないことには空室が埋まることはありません。
立地や築年数は変えることができませんので、後出来ることと言えば条件面と部屋の作りこみになります。
条件面で安くしていけば部屋は埋まるでしょうが、それでは不動産を所有していても面白くはありません。
どれだけ条件面を落とさずに満室稼働させるか?
これが腕の見せ所です。
リフォーム業者さんも勉強していますので、どこもかしこも同じような部屋が出来上がっています。
デザインクロスは当たり前。
浴室に化粧パネルを貼ったりも当たり前。
リフォームだけでは差別化しにくくはなっていますが、キッチンにカッティングシートを貼ったり、取っ手を替えるだけでも見た目は大きく変化します。
安易にリフォーム業者に頼ってしまうのではなく、少しでも収益を向上させるためにはオーナーさん自身も勉強しなくてはいけないですし、自分で出来ることは自分でやれるようにはなっておきたいですよね。
勉強して、オリジナルの部屋を作れるオーナーさんだけが生き残っていける時代にはなるかもしれません。
Airbnbの話に戻りますが、私は民泊って不動産業界の縮図だと思っています。
最初は民泊を始めただけでどこの部屋もフル稼働。一泊あたりの宿泊料も今より高い料金で取れていました。
部屋もただただベッドを置いて寝具を備え付けられているだけという部屋でもです。
それがだんだん競合が激化し、宿泊料は値下がり、フル稼働するのは一部の都心部だけという状況になってきています。
その都心部でも魅力的な部屋作りをしておかないとゲストの目にも止まらなくなってきています。
これって賃貸のここ30年の歴史に似ていませんか?
まるで30年の歴史を2年、3年で再現しているようです。
なので今民泊を始めるということは、今後の不動産投資の役に立つってことになるかもしれません。
どの商売でも同じですが、消費者、お客様の気持ちを理解しないと成功することなどできません。
民泊っていうのは数多くのゲストと接することができますので、お客様の気持ちを理解するには絶好の場になります。
なので不動産投資をされている方、これから目指そうとしている方には腕試しの場所なのかもしれませんね。