貧乏暇なしという言葉がありますが、時間もお金も余裕がないというのが一番苦しい状態です。

でも多くの人が陥るのは

『時間はあるけどお金がない。』

『お金はあるけど時間がない。』

という状況ではないでしょうか?

日本の企業でも残業時間の短縮や労働時間の短縮が行われています。

でもこれって金銭的にも余裕がなければ意味のないものですよね。

金銭的に余裕がなければ余暇を楽しもうにも、スキルアップのための勉強をするにも苦労します。
本当の意味での余裕というものは、やはりお金と時間が両立しなければ生まれてきません。

ではどうやって実現していけばいいのでしょう?

例えば貯蓄が1000万円あったとします。

これで時間の余裕を作ることができるのでしょうか?

余裕のある、時間にゆとりのある生活をしようとすると貯蓄を切り崩していく方法では実現しにくいですよね。

やはり毎月安定した収益を生み出してくれるものが必要になってきます。

私はみなさんもご存知のように不動産業です。

不動産業というものはかなり波のある業種になっています。
引越しシーズンというものがあり、日本では4月入学を基点として2月、3月が一番物件の動く時期となっています。

これは賃貸でも売買でも同様です。

賃貸の方がもちろん動きは活発なのですが、年末年始やお盆の時期、ゴールデンウイークの時期など閑散期というものも存在します。

こうした閑散期にも安定した収益を生み出す方法はないものかといつも悩まされています。

結論から言うとやはり家賃収入というものが安定収入になります。

多くの不動産会社でも自社所有の賃貸マンションなどを保有しています。

毎月月末にはお家賃として振込まれてきますので、確実安定な収入源になるからです。

でもいいことだらけではありません。

収入があるかわりに支出も存在します。

入退去に伴う仲介手数料や、内装工事の費用、固定資産税や所得税、それに設備の故障や建物の改修工事が発生します。

みなさん不動産投資って聞くと収入の部分だけを考えがちなのですが、きちんと支出の部分も考えていますか?

古家を購入して、入退去があれば内装費用がどれだけかかるかきちんと把握できているでしょうか?

また次のお家賃が入ってくるまでの空室期間のことも頭に入っているでしょうか?

ここまできちんと把握しておかないと夢のリタイア生活は実現できません。

不動産広告の表面利回りに騙されてはいけませんよ。

不動産を購入するときに考えなくてはいけないことはいくつかあります。

今日はその全てではありませんが、いくつかお話しておきます。

まず、先ほど書いていた毎月のランニングコストの件です。

家賃収入と一括りにしても、その中には共益費、水道代なども含まれている場合もあります。

中には電気代、ガス代も含まれていることもあります。

光熱費が家賃に含まれている場合、当然それに伴う支出が存在します。

つまりその光熱費の分はほとんどの場合、そっくりそのまま支出の部分です。

なので割り引いて考える必要があります。

次に定期清掃費、管理料、エレベーターの点検費用なども毎月かかる経費です。

この金額が削減できる内容なのか、はたまたこれ以上削減できそうにない経費なのかも知っておく必要があります。

例えば2DKの間取りで家賃50,000円、共益費、水道代込となっていたとしましょう。

これが4部屋で毎月20万円、年間240万円の収入があり、表面利回り10%で購入したとしましょう。

つまり2400万円ですね。

この場合実質の手取りはいったいいくらなのという話です。

4部屋ということですからエレベーターはないでしょう。

不動産屋さんに支払う管理料が5%だったとしたら毎月1万円、定期清掃で週一回くらいの清掃に入ってもらったとして月1万円〜2万円、水道代は入居者によって変わるでしょうが一戸あたり4000円くらいとして4部屋で1.6万円。

管理費、水道代の部分で一戸あたり約1万円は飛んでいきます。

あと年間の固定資産税も必要ですよね。

これも月で割ると1万円くらいは必要です。

※もちろん築年数、土地の広さによって異なりますよ。

つまり月収20万円でも手取りでいうと15万円くらいにまでは下がってしまうわけです。

この物件を融資利用して購入を考えているなら毎月の支払額は最低でも10万円くらいには抑えておかないと、一部屋空室が出ただけで赤字突入となるわけですね。

しかもそこに内装工事などの出費が重なります。

ちなみに満額融資を受ける場合で毎月10万円の支払いで抑えるとなると、金利3.0%で35年払いです。

かなり築年数の新しい物件でないと厳しいのが分かるでしょうか?

建物は築10年超で給湯器の入替時期、15年〜20年ほどでキッチン、トイレ、浴室など水周りの入替時期がやってきます。

この時期になるとキャッシュアウトが増えることを想定しておかないといけないので、もし築年数が新しくないならもっと低金利での融資を引くことが条件になってきます。

同じ35年払いで金利が1.5%まで下がれば毎月の支払いも2万円ほど抑えることができます。

つまり不動産投資に必要なのは物件情報だけではないということなのです。

物件を売るだけの不動産屋さんの中にはこうしたシュミレーションさえ出してくれない会社さんもあります。

キャッシュフローだけ合えば金利や支払条件など気にしない不動産屋さんもあります。

最近ス◯◯銀行などの頭金0、30年払い、金利4%前後で築20年、30年の物件を購入されているお客様が増えています。

表面利回りで15%も回っているならいいですよ。

でも今の時代そんな物件は滅多にお目にかかれません。

利回り10%、12%で築30年の物件など購入してしまった日には将来の希望すら失ってしまいます。
今の金利は最低基準です。

金利が上昇すれば支払額も増えます。

収入の方は何もしなければ今の家賃から下がる一方です。

そして補修費は年々かさんでいきます。

この中でもし破綻への道が免れることができるとすると唯一、購入した金額、もしくは残債以上でこの建物が売却できたケースに限られてきます。

いったいそういうことは可能なのでしょうか?

東京オリンピックまでは不動産価格は上昇するという見込みはない話ではありません。

でもその後は?

少子高齢化でどんどん日本の生産人口は減っています。

賃貸住宅を必要とする人間も減っています。

ただ明るい兆しとすれば、外国人観光客は増え続けています。

そして今後外国人労働者も増えていくでしょう。

ここをターゲットにしているのでしょうか?

それならば十分勝算は取れるかもしれません。

値上がり目的の短期所有であるならば勝算はあるかもしれません。

でも長期保有目的なら、今のタイミングで購入することはお勧めできません。

今借りているより長期の期間で融資してくれてる金融機関があるのなら別ですが、そうでなければ今度は売却時の出口がなくなってしまいます。

今の不動産投資に将来の出口を見て販売している業者さんがどれだけいてるのでしょう?

常に満室にできるスキームを持って提案している業者さんがどれだけいてるのでしょう?

購入をお考えならそのあたりの意見は必ず聞いておいてください。

『何年後かにはこの物件は値上がりしてますよ。だから今が買い時です。』

『今回は金利が高いですが、購入後他行で借り換えすれば金利が下がりますから大丈夫ですよ。』

こんな説明をする不動産屋さんからは物件を購入したら絶対にダメです。

バブル期の不動産屋さんと同じ売り方です。

その言葉を間に受けて、どれだけの一般の方も被害を受けたか。

不動産さんとお客様のお付き合いは購入時、賃貸時で終わりではありません。

その後お付き合いをしていける会社さんかどうか、担当さんかどうかを判断してご購入、ご相談されることをお勧めします。

くれぐれもいいパートナーさん、アドバイザーさんとの出会いを大切にしてくださいね。

私自身もそうなれるように心がけてはいます。

でも世の中には数は多くはないですがそうした不動産屋さんもきちんと存在しています。

そうした相談相手を見つけることができるかどうかが不動産投資を成功に導くための必要不可欠なポイントです。

みなさまも出会いは大切に。