不動産投資に限らずどの投資でも同じですが、安い時に買って高い時に売れば儲かります。

当然の話で、改めて何を言ってるのと言われそうですが実際に簡単な話ではありません。

株式投資でもそうですが、下がっている時に買って、もう上るだろうと思っていてもそこからまだ下がったり、上がっている時に売ってもう下がる頃だろうと思っていてもまだまだ上がったりします。

絶妙なタイミングで売り買いすることって容易くはないんですよね。

それは毎日のように不動産を取り扱っている私たちでも同じです。

では、なぜ不動産屋さんは損をしないのか?

不動産屋さんが不動産を売り買いするのは商売でやっています。
今日仕入れた商品を5年後、10年後に売却しようとして購入していません。

今日仕入れた商品は来月、再来月に売却しようとします。
これは中古とか土地とかの話で、新築戸建てや新築マンションなどは計画から着工、竣工まで時間がかかりますのでまた別の話です。

つまり相場の大きな変動が来る前に売却します。

なので失敗する確率が非常に低くなるわけです。

しかも、相場感が分かっている分高値で購入することもありません。
安く買える商品のみ仕入れて、加工して、販売します。

ひと昔前なら、加工せずに右から左に再販できるようなネタもゴロゴロありました。

でもこれって売り側の仲介業者の協力なしではできません。

仲介業者がなぜ不動産業者に横流しするのかご存知ですか?

不動産仲介の仕事って、売主、買主双方から仲介手数料をもらうことができます。
それは買主、売主ともに自分のお客様だった場合、間に不動産会社が介入しなかった場合です。

その場合売買代金が400万円以上だった場合、売買代金の3%+6万円(消費税別途)かける×2の仲介手数料がもらえます。

しかも右から左に再販できる金額で売価をくくっている場合、買い側の不動産会社からも専任の媒介契約をもらいます。

さらにこの再販物件を直の買主に売れば、さらに売買代金の3%+6万円(消費税別途)をもらうことができます。

つまり2往復のダブルの仲介手数料を受け取ることが可能になります。

なので長期保有目的の買主さんにそのような美味しい物件が紹介されることなどあり得なくなります。

でもこれって最初の売主さんを騙していることになりませんか?

一番最初の売主さんはこの間の再販業者さんがいなければ、あと2割から3割余分に売買代金を受け取っていたことになります。

なぜこんなことがあり得るのか?

それは個人商店ではなく、大手不動産仲介業者がそういうことをしているからです。

『大手だから安心だろう。』
『テレビCMをやってるところだから安心だ。』

こういう先入観を元に安易に判断していることが少なくはありません。

また、
『相続した物件だから、少々安くても早く換金して現金化したい。』
こういう需要もあります。

でもこれも不動産会社の買取でなくても早期売却、早期換金することは十分可能です。

不動産の流通があるエリア(都心の区分所有や土地など)では、相場の1割減で募集できれば1週間、2週間で買付が入りますし、決済まで1ヶ月足らずで換金できます。

しかも相続案件の場合、相続登記が相談時点では完了していないことが多くあり、その場合相続登記が完了するまでは所有権移転ができません。
つまり決済自体も相続登記完了後でしかできないのです。
そうすると早くても1ヶ月はかかりますから、実は一般顧客に売却するのと換金時期は変わらなくなるのです。

でも不動産会社の営業マンはきっとこう言うでしょう。
『不動産会社の買取ですから、ローン特約もありませんので安心です。すぐに決済できますし、瑕疵担保も負わなくて大丈夫なので早めに現金化したいのなら一番いい方法です。』
と。

でも、私がお客様からお預かりする物件は個人売主さんの物件なら瑕疵担保免責で契約をしますし、購入申込が次々入る物件ではローン先着で契約を取り行います。
これはどういうことかというと、ローンで購入する場合、ローンの内諾が一番に出たところと契約するということです。

そうすることにより、ローン特約付きの契約で1ヶ月も2ヶ月も引っ張られて、結局キャンセルになり手付金すら返金しないといけなくなることを避けるためです。

そうした手段を取ることにより、不動産会社にわざわざ安値で買い取ってもらわなくても早期でかつ安心した取引は実現することが可能です。

アメリカの映画やテレビドラマで
『For Sale』の看板を自宅に掲げているシーンをよく見かけますが、日本の売主さんは自分の不動産の価値を知らなすぎます。

不動産会社に任せっきりに、しかも信用しすぎているように思います。

賃貸募集にしてもそうなのですが、家賃を決めるのも、自宅の売価を決めるのも唯一自分に許された権利です。

そこを放棄してしまって、不動産の売却で利益を出すことも、家賃収入で安定収入を得ることもできるはずがありません。

もったいない。

無知は損です。

知識や相場観を身につけることで、不動産投資で利益を出すことは充分可能です。

自分で勉強する時間もなく、相場観に自信のない方は100%自分の利益のために動いてくれるパートナーを見つけなければ、不動産業者に食い物にされてしまいますよ。

アメリカでは、自分のために最大限に動いてくれる人をエージェントと呼ぶそうです。

不動産の用語の中に
『善管注意義務』というものがあります。

これは字の通り、善良な管理者の注意義務です。

私は常々、不動産の営業で飯を食っていくためには善良な管理者の注意義務ではダメだと部下に話していました。

善管注意義務は当然な話で、自分のこと以上に注意し、慎重に行動することが大切なのです。

不動産屋さんって、いい物件があって、自分が買える範囲なら自分で買っちゃうでしょ。

私は常に自分が買う目線でお客様とお話ししています。

でも私が買う場合は常に再販目的になってしまいます。

なぜ??

私が不動産屋さんだからです。

購入した物件は常に商品です。
自宅ですら商品です。

高く売却でき利益が出るならいつでも売却します。

なので、再販目的の物件を私から購入しようとアプローチしてくれても、私が購入しないと決めた物件しかご紹介できません。

でも逆に私は長期保有目的の物件を所有しません。

なので、自分が長期保有しようとした場合、この物件はいいんじゃないかなとアドバイスさせていただいています。

なぜ長期保有しないのという声が聞こえてきそうですが、これは今の会社を興した時に決めたことです。

1.長期保有する収益物件を所有してしまった場合、そこで満足して仕事をしなくなる可能性がある。(笑)

2.自分が購入しない物件を勧めなくてはいけなくなる。

1番は置いといて、2番の理由が最大の理由です。

以前の会社では賃貸マンションを数棟自社所有していました。
それは賃貸仲介、管理をしていた会社だったので、家主さんと同じ目線で話ができるよう、自分たちも家主である必要があると思ったからです。

実際に家主の立場としてのお話もオーナー様たちにたくさんさせていただき、ご共感いただきました。

今は賃貸仲介も管理もメインにはしていません。
自分で購入するということが、逆にデメリットに感じているからです。

それは今の仕事を続けていくための私なりの制約です。


本業を引退する時にはもちろん所有しますよ。

自分自身不動産投資にはメリットを感じていますので。

私が死んだ後の家族の生計を立てるためには必然だと思っています。

でもまだ死にませんから、もっと先でいいのかなと。

それに今は私のお客様のような低金利で長期で融資を受けれませんしね。

属性作りに励みます。(笑)


ということで、もう今年も残りわずかになりましたが、来年もバリバリと仕事を頑張りますので、よろしくお願いいたします。