今年一年、不動産市場は大いに賑わいました。
都心部の不動産業者の中ではバブルの再現と、景気のいい話が飛びかっています。
たしかに情報さえあればどんどん物件が売れていきます。
金融機関も積極的に動きました。
融資付けも以前に比べかなりしやすくなっています。
その中で、家主の破たんというニュースもちらほら出始めています。
不動産業者の中にはシュミレーションすらまともにできない人たちが多く存在します。
それか、シュミレーションはしているけどもダメなのを分かっていて売りつけているかですよね。
いずれにせよ問題ありです。
今問題がクローズアップされているのが、ス○ガ銀行です。
銀行自体に問題があるわけではありません。
逆にス○ガ銀行さんは、今まで他行が取り組まなかったような案件を取り組んでくれたり、低属性のお客様にもうまく融資付けしてくれる私たちにとってとてもありがたい銀行です。
問題はそこに融資付けする不動産業者のモラルです。
今大阪の都心部の投資用不動産価格は高騰しています。
築20年経過している物件でも表面利回り10%を超える物件はそうそう見かけなくなりました。
大阪市内にはもともと遵法性のない物件が多く存在しています。
平成5,6年以前の物件は容積率OVER、建蔽率OVER、検査済証のない物件など当たり前という状態です。
そうした物件では表面利回り10%を超える物件もあったりしますが、その場合低金利での融資を受けれません。
都市銀行やほとんどの地方銀行での融資は受けられず、信用金庫、信用組合、ノンバンクでの融資となります。
その中でも金利3.5%、4.0%、4.5%という高金利になるわけですが、この金利って短期プライムレートを基準としている変動金利です。
住宅ローンの基準と同じです。
住宅ローンなら0.675%や0.775%、一部の金融機関では0.5%で借りれるような状況下で4.0%、4.5%で調達しているわけですから、少し金利が上昇すればもうひとたまりもありません。
少しシュミレーションしてみます。
築後25年、表面利回り12%、物件価格1億円、鉄骨造りの物件を購入します。
耐用年数は通常35年ですが、20年融資を受けれたとします。
表面利回り12%なので、年間の見込み家賃収入は1,200万円です。
毎月で計算すると100万円です。
諸費用物件価格の8%で計算してフルローンで借入金は10,800万円。調達金利を4.5%とすると、毎月の支払金額は683,000円となります。
なんだかいけそうな数字に思いませんか?
この時点での手残りは317,000円です。
しかしずっと満室で推移するわけがありません。
稼働率90%で想定すると、家賃収入は90万円になります。
さらにここから毎月の管理費5%、共有部分の清掃費、EVの点検費用、消防点検、貯水槽の清掃、ゴミの収集、共有部分の電気代、水道代なども必要です。
これらの費用として10%、さらに固定資産税が年間50万円ほど必要だとすればどうでしょう?
100万円×(5%+10%)=15万円。
50万円÷12か月=41,660円。
先ほどの90万円からローンの返済額683,000円と150,000円、41,660円を差し引いたらどうでしょう?
毎月の手残りは25,340円となります。
これだけならまだしも、賃借人が退去すればリフォームが必要です。
1Roomでも7~8万円ほど。
2LDKなら20万円ほどのリフォーム費用が必要です。
さらに、部屋付けをしてくれる仲介業者に手数料も支払わなくてはいけません。
もう一つ中古物件の最大のポイントは設備等の交換費用が必要になってくることです。
エアコンは10年、給湯器は12~13年、キッチンは15年、洗面台は15年、浴室は20~25年で交換が必要になってきます。
また、20年経てば間取りのニーズも新築当時と大きく異なってきますので、大規模なリノベーションも必要になるでしょうし、屋上の防水も。
30年経てば外壁の塗装、エントランスの改装なども必要になってきます。
このあたりの費用はどうやって捻出していくのでしょうか?
築20年を超える物件を購入する際には、物件自体の修繕履歴は必ずチェックする必要があります。
1年前に外壁塗装を施した。
エントランスや玄関ドアなどの交換を2,3年前にしてあるような物件ならまだしも、築後一切の大規模な修繕をしていない物件を購入してしまうと大変なことになってしまいます。
でも、12%を超える物件などそうそうありません。
どうすればいいのか?
低金利で調達できる物件だけを購入すべきです。
せめて2%台で調達できなければ目も当てれません。
今回のケースでも仮に2%の金利で調達していたとします。
すると毎月の支払額は546,000円まで下がります。
毎月の支払額が137,000円も違ってきます。
こうなると、多少はリスクの軽減ができてくるわけです。
ス○ガ銀行さんの金利は4.5%です。
みなさん15%を超えるような表面利回りで購入しているのでしょうか?
聞いている話では12%くらいが多いように思います。
なかには10%あたりで中古の築25年、30年の物件を購入していたりするらしいので・・・
以前もこのブログで調達金利と利回りの差『イールドギャップ』の話をしましたが、ここが4%あれば買いだという業者さんもいるくらいです。
12%の表面利回りで4.5%の調達金利、イールドギャップは7.5%もあります。
でもシュミレーション上ではどうでしたか?
とてもお勧めできる代物ではありませんでしたよね。
逆に最近私がお勧めしている新築アパートで検証します。
同じく物件価格1億円。木造3階建てです。表面利回りは7.5%。新築物件です。
当然検査済証は付いています。
さらにここから耐震等級や劣化等級3などがついている物件を選べば、木造にもかかわらずどの金融機関でも30年融資、金融機関によっては35年融資が可能です。
金利は0.6%や0.8%での調達も可能です。
※ただしその場合はある程度の自己資金が必要になってきます。
ここでは仮に諸費用のみ自己資金で、1.2%の金利で調達できたとします。
30年返済で毎月の支払額は330,900円になります。
表面利回りが7.5%でしたから、年間750万円。毎月の家賃収入は625,000円となります。
ここから、毎月の管理用5%は必要です。
木造のアパートですので、共用部分の電気代、水道代、清掃費は必要ですが貯水槽の清掃費用もEVの点検費用も必要ありません。
経費は5%で見ます。
稼働率90%で見ても毎月の家賃収入は562,500円です。
固定資産税は年間50万円ほどなので、毎月に換算すると41,660円。
562,000円-62,500円(毎月のランニングコスト)-330,900円-41,660円=126,940円
となります。
今回自己資金で投入した金額は諸費用の分だけですので、800万円としても投資回収率は19%となります。
しかも、設備の修繕費用は10年後までかかりません。
入退室に伴うリフォーム費用も最初のうちは低額で済みます。
しかも稼働率90%で計算しての数値なので、新築当初はもっと稼働しますよね。
5年足らずで初期投資の分は回収できます。
管理を不動産屋さんに任せず自主管理にして、清掃も自分で行えばさらに毎月5万円ほどの収益を向上できます。
7.5%と12%。
数字だけ見れば12%の方がいいように思えるのですが、実際にはそうではありません。
今回のシュミレーションは少し甘めに見ています。
来年には特区民泊だけでなく、民放新法の導入も検討されています。
空き室を民泊でうまく活用できれば、もっと収益を向上させることも可能かもしれません。
というより、そうしたことも視野に入れておいた方がいいでしょう。
賃貸の入居者を募ることだけが空室対策ではありません。
家具付き、家電付の賃貸住宅。
これも今後賃貸の主流になってくるかもしれません。
外国人入居者をターゲットにした場合、有効的な手段になります。
賃料が下がっていくのをじっと見守っていくだけの大家さんは、オーナー業をする資格がありません。
それなりの自己資金を投入し、新たに借金を背負うわけです。
隣のマンションのオーナーはライバルです。
競合相手です。
どんな商売でも競合相手がいない商売などないでしょ。
競合相手に勝ち抜くためには、努力と知恵が必要です。
そして、協力してくれる味方も必要です。
その味方には私が立候補します。
あとは、オーナー様自身が勉強して知恵を身に付け、努力して満室経営を心掛けることです。
行列のできるお店は大阪市内にもたくさんあります。
それと同じで、予約待ちの賃貸住宅もいくつも存在します。
そうした住宅を提供できるか?
そのためにはどうすればいいのか?
これを考えていくのがオーナーさまの仕事です。
『マンションにこんな設備を導入したい。』
『入居者にこんなサービスを実施したい。』
考えていけばいくほど楽しいものですよ。
また、入居者や内覧者から
『すごいいい物件。住みたい。』
とか、
『うちのマンションのこういうところが気に入っているんだ。』
というような生の声が聞こえてくると励みにもなります。
せっかくマンション・アパートオーナーになるならそういう楽しみもぜひ見つけてください。
都心部の不動産業者の中ではバブルの再現と、景気のいい話が飛びかっています。
たしかに情報さえあればどんどん物件が売れていきます。
金融機関も積極的に動きました。
融資付けも以前に比べかなりしやすくなっています。
その中で、家主の破たんというニュースもちらほら出始めています。
不動産業者の中にはシュミレーションすらまともにできない人たちが多く存在します。
それか、シュミレーションはしているけどもダメなのを分かっていて売りつけているかですよね。
いずれにせよ問題ありです。
今問題がクローズアップされているのが、ス○ガ銀行です。
銀行自体に問題があるわけではありません。
逆にス○ガ銀行さんは、今まで他行が取り組まなかったような案件を取り組んでくれたり、低属性のお客様にもうまく融資付けしてくれる私たちにとってとてもありがたい銀行です。
問題はそこに融資付けする不動産業者のモラルです。
今大阪の都心部の投資用不動産価格は高騰しています。
築20年経過している物件でも表面利回り10%を超える物件はそうそう見かけなくなりました。
大阪市内にはもともと遵法性のない物件が多く存在しています。
平成5,6年以前の物件は容積率OVER、建蔽率OVER、検査済証のない物件など当たり前という状態です。
そうした物件では表面利回り10%を超える物件もあったりしますが、その場合低金利での融資を受けれません。
都市銀行やほとんどの地方銀行での融資は受けられず、信用金庫、信用組合、ノンバンクでの融資となります。
その中でも金利3.5%、4.0%、4.5%という高金利になるわけですが、この金利って短期プライムレートを基準としている変動金利です。
住宅ローンの基準と同じです。
住宅ローンなら0.675%や0.775%、一部の金融機関では0.5%で借りれるような状況下で4.0%、4.5%で調達しているわけですから、少し金利が上昇すればもうひとたまりもありません。
少しシュミレーションしてみます。
築後25年、表面利回り12%、物件価格1億円、鉄骨造りの物件を購入します。
耐用年数は通常35年ですが、20年融資を受けれたとします。
表面利回り12%なので、年間の見込み家賃収入は1,200万円です。
毎月で計算すると100万円です。
諸費用物件価格の8%で計算してフルローンで借入金は10,800万円。調達金利を4.5%とすると、毎月の支払金額は683,000円となります。
なんだかいけそうな数字に思いませんか?
この時点での手残りは317,000円です。
しかしずっと満室で推移するわけがありません。
稼働率90%で想定すると、家賃収入は90万円になります。
さらにここから毎月の管理費5%、共有部分の清掃費、EVの点検費用、消防点検、貯水槽の清掃、ゴミの収集、共有部分の電気代、水道代なども必要です。
これらの費用として10%、さらに固定資産税が年間50万円ほど必要だとすればどうでしょう?
100万円×(5%+10%)=15万円。
50万円÷12か月=41,660円。
先ほどの90万円からローンの返済額683,000円と150,000円、41,660円を差し引いたらどうでしょう?
毎月の手残りは25,340円となります。
これだけならまだしも、賃借人が退去すればリフォームが必要です。
1Roomでも7~8万円ほど。
2LDKなら20万円ほどのリフォーム費用が必要です。
さらに、部屋付けをしてくれる仲介業者に手数料も支払わなくてはいけません。
もう一つ中古物件の最大のポイントは設備等の交換費用が必要になってくることです。
エアコンは10年、給湯器は12~13年、キッチンは15年、洗面台は15年、浴室は20~25年で交換が必要になってきます。
また、20年経てば間取りのニーズも新築当時と大きく異なってきますので、大規模なリノベーションも必要になるでしょうし、屋上の防水も。
30年経てば外壁の塗装、エントランスの改装なども必要になってきます。
このあたりの費用はどうやって捻出していくのでしょうか?
築20年を超える物件を購入する際には、物件自体の修繕履歴は必ずチェックする必要があります。
1年前に外壁塗装を施した。
エントランスや玄関ドアなどの交換を2,3年前にしてあるような物件ならまだしも、築後一切の大規模な修繕をしていない物件を購入してしまうと大変なことになってしまいます。
でも、12%を超える物件などそうそうありません。
どうすればいいのか?
低金利で調達できる物件だけを購入すべきです。
せめて2%台で調達できなければ目も当てれません。
今回のケースでも仮に2%の金利で調達していたとします。
すると毎月の支払額は546,000円まで下がります。
毎月の支払額が137,000円も違ってきます。
こうなると、多少はリスクの軽減ができてくるわけです。
ス○ガ銀行さんの金利は4.5%です。
みなさん15%を超えるような表面利回りで購入しているのでしょうか?
聞いている話では12%くらいが多いように思います。
なかには10%あたりで中古の築25年、30年の物件を購入していたりするらしいので・・・
以前もこのブログで調達金利と利回りの差『イールドギャップ』の話をしましたが、ここが4%あれば買いだという業者さんもいるくらいです。
12%の表面利回りで4.5%の調達金利、イールドギャップは7.5%もあります。
でもシュミレーション上ではどうでしたか?
とてもお勧めできる代物ではありませんでしたよね。
逆に最近私がお勧めしている新築アパートで検証します。
同じく物件価格1億円。木造3階建てです。表面利回りは7.5%。新築物件です。
当然検査済証は付いています。
さらにここから耐震等級や劣化等級3などがついている物件を選べば、木造にもかかわらずどの金融機関でも30年融資、金融機関によっては35年融資が可能です。
金利は0.6%や0.8%での調達も可能です。
※ただしその場合はある程度の自己資金が必要になってきます。
ここでは仮に諸費用のみ自己資金で、1.2%の金利で調達できたとします。
30年返済で毎月の支払額は330,900円になります。
表面利回りが7.5%でしたから、年間750万円。毎月の家賃収入は625,000円となります。
ここから、毎月の管理用5%は必要です。
木造のアパートですので、共用部分の電気代、水道代、清掃費は必要ですが貯水槽の清掃費用もEVの点検費用も必要ありません。
経費は5%で見ます。
稼働率90%で見ても毎月の家賃収入は562,500円です。
固定資産税は年間50万円ほどなので、毎月に換算すると41,660円。
562,000円-62,500円(毎月のランニングコスト)-330,900円-41,660円=126,940円
となります。
今回自己資金で投入した金額は諸費用の分だけですので、800万円としても投資回収率は19%となります。
しかも、設備の修繕費用は10年後までかかりません。
入退室に伴うリフォーム費用も最初のうちは低額で済みます。
しかも稼働率90%で計算しての数値なので、新築当初はもっと稼働しますよね。
5年足らずで初期投資の分は回収できます。
管理を不動産屋さんに任せず自主管理にして、清掃も自分で行えばさらに毎月5万円ほどの収益を向上できます。
7.5%と12%。
数字だけ見れば12%の方がいいように思えるのですが、実際にはそうではありません。
今回のシュミレーションは少し甘めに見ています。
来年には特区民泊だけでなく、民放新法の導入も検討されています。
空き室を民泊でうまく活用できれば、もっと収益を向上させることも可能かもしれません。
というより、そうしたことも視野に入れておいた方がいいでしょう。
賃貸の入居者を募ることだけが空室対策ではありません。
家具付き、家電付の賃貸住宅。
これも今後賃貸の主流になってくるかもしれません。
外国人入居者をターゲットにした場合、有効的な手段になります。
賃料が下がっていくのをじっと見守っていくだけの大家さんは、オーナー業をする資格がありません。
それなりの自己資金を投入し、新たに借金を背負うわけです。
隣のマンションのオーナーはライバルです。
競合相手です。
どんな商売でも競合相手がいない商売などないでしょ。
競合相手に勝ち抜くためには、努力と知恵が必要です。
そして、協力してくれる味方も必要です。
その味方には私が立候補します。
あとは、オーナー様自身が勉強して知恵を身に付け、努力して満室経営を心掛けることです。
行列のできるお店は大阪市内にもたくさんあります。
それと同じで、予約待ちの賃貸住宅もいくつも存在します。
そうした住宅を提供できるか?
そのためにはどうすればいいのか?
これを考えていくのがオーナーさまの仕事です。
『マンションにこんな設備を導入したい。』
『入居者にこんなサービスを実施したい。』
考えていけばいくほど楽しいものですよ。
また、入居者や内覧者から
『すごいいい物件。住みたい。』
とか、
『うちのマンションのこういうところが気に入っているんだ。』
というような生の声が聞こえてくると励みにもなります。
せっかくマンション・アパートオーナーになるならそういう楽しみもぜひ見つけてください。