住宅購入の際に、マンションがいいのか戸建てがいいのか悩んでいるお客さまがいらっしゃいます。

どちらがいいですかとよく聞かれますが、家族構成、今後のプランによって答えは変わります。

マンションの一番の利点はセキュリティですね。

オートロックがあるなしだけではなく、防犯面ではマンションの方が圧倒的に優れています。

マンションのバルコニーに誰かが侵入してくることなどほとんどありませんが、戸建ての場合道路に面している住宅なら敷地内に知らない人が入ってくることもあります。

自宅裏の庭に他人がいたりしたらもう恐怖です。

自宅でご主人が仕事をしているなら別ですが、通常出勤で朝早く出かけますし帰宅も夜遅い時間になってしまいます。

安全を買うためにマンションを選択する人が多いのも事実です。

逆に戸建てのメリットは、毎月の管理費、修繕積立金が必要ない。

駐車場が敷地内についていれば駐車場代も必要ないということです。

ただ、管理費というのはマンション内の定期清掃、エレベーターなどの点検費用、管理人さんのお給料などが含まれています。

安全かつ快適に住むための費用ですのでこれを安いと思うのか、高いと思うのかによって選択肢は変わってきます。

次に修繕積立金です。

これはマンション全体の修繕費用として積み立てられています。

廊下やエントランスの改修費用、雨漏りなどの防水、壁の塗装とかに使われるのですが、玄関ドア、サッシなどの交換費用もここから捻出されます。

玄関ドアの外側、サッシの外側は共有部分という扱いになるからですね。

バルコニーも各部屋についているものですが、避難経路として使用されたりもしますのでここも共用部分です。

バルコニーの防水、塗装などの費用としても使われます。

マンションごとに修繕計画が施されており、10年毎、15年毎などで大規模修繕が行われます。

室内の改装費用は必要ですが、古いマンションの価格が落ちにくいのはこうした共有部分の修繕が定期的に行われているからなのです。

戸建てで10年毎、15年毎に外壁を塗装したり、屋根を修繕したりという人はあまりいないですよね。

15年も手入れしていなければ当然建物は古ぼけてきますし、老朽化していきます。

耐用年数22年。

22年で朽ち果てることはありませんが、何も手入れせずに20年、25年経過してしまえば見た目も悪くなりますよね。

マンションと同様に修繕計画を立てて毎月積み立て、ある程度の年月が経過する毎に外壁塗装、玄関周りのリニューアルなどを施していれば20年経ってもそれなりの金額では売却できるのですが、将来高値で売るために定期的に大規模修繕をするということは少しナンセンスかもしれません。

今まで数多くの売買に携わってきましたが、

『売却するときにお金をかけない。』

こういった人がほとんどです。

『どうせ売却するから、1円のお金もかけたくない。』

これが本音なのでしょう。

でも、業者が不動産を買い取り再販する時には内装工事、時には外壁、エントランスの工事も施します。

なぜだと思いますか?

単純な話です。

『お金をかけた方が高く売れるから』です。

もし仮に売主さん個人がみなさんリフォームしてから売却するということをしたとしたら、不動産の流通が変わります。

中には

『売却するからきれに掃除したの。』

『売るとなったら、雨漏りを直しとかなくちゃ。手配して。』

という方もいらっしゃいます。

そうしたお客様の物件は売る側としてはとてもありがたい話ですし、実際すぐに買い手が付きます。

『売るんだからお金は使いたくない。』

こういう考え方の売主さんは物件を買いたたかれるだけなので結果的に損をしているのですが、そこに気づく前に売買契約は終了してしまいます。

そういうお客様がいらっしゃるから不動産会社の再販が成り立ちます。

話を戻します。

戸建てで築後20年経ち、手直しをしていない住宅は建物価値がどんどん下がっていきます。

よく戸建ての場合古くなっても土地は残るから売却時に有利だと聞きませんか?

土地値っていうのは更地価格です。

建物を取り壊して何も建っていない土地のことです。

土地値って土地の広さ、形状、間口、前面道路幅などによって大きく変わります。

『このあたりの坪単価は80万円はするだろうから、30坪で2400万。それくらいでは売れるでしょ?』

こうお話していたお客様の物件を見に行くと

間口は4m、前面道路3m、有効面積25坪って話もざらにあります。

2間間口の家を建築するには建物だけで3.6m、両隣の感覚を最低限30cm空けたとしても4.2m必要なのです。

しかも2間間口の家ってまともな間取りがはまりません。

間口2間

せいぜい頑張ってこの間取です。

家の前に車を停めれば玄関がほとんど見えなくなります。

しかも前面道路3mとなれば、再建築の際にセットバックが必要になります。

道路の中心線から2mの後退が必要になってくるのです。

3mの道路幅がどちらも後退していなかったとして仮定しても50cmの後退が必要になります。

間口4mなので、50cm×4m=2平米分敷地内から道路負担しなくてはいけない計算になります。

私道2


公図を見ているとこんな配置になっていたりすることがあります。

この上下の敷地の間に道路が挟まっていることがよくあります。

私道
こういうことです。

この場合、上下の土地の敷地の中で道路部分が含まれているということになります。

地番は一筆ですので、登記簿上はこの道路供託部分も含んだ面積で表記されています。

この道路部分を含んだ面積が土地の広さだと認識している人が多いのですが、実際の取引面積はその通りです。

でも、有効敷地面積となるとこの道路部分を除外した面積で判断することになります。

それが、30坪あると思うんだけどという話が、実質25坪だったという話になるわけです。

ここに用途地域、建蔽率、容積率の話が加わるともう少し煩雑になってくるのですが、前面道路4m未満の道路は4mあるとして計算します。

住居系の地域なら、道路幅に0.4をかけた数字が最大容積率になります。

容積率200%、建蔽率60%の地域だとすると、この敷地は4m×0.4=160%が最大の容積率ということになります。

先ほどのような25坪もあればまだ最大で建物延床面積40坪まで建てれるのですが、これが敷地面積30平米となってしまうと、30平米×160%=48平米。

建蔽率60%とすると、1フロアー18平米の建物しか建てれなくなります。

こうなれば新築で何かを建築するといってもまともな建物が建ちませんので、土地の価格としてはとても残念なお話になってきます。

場合によっては価格も付かない。

売却するとしても、100万、200万でしか売れない。

こんなこともあるのですよね。

『土地付き=土地値は確保できる』

安易にこう判断するのは危険です。

逆に都心部のマンション価格は築30年経っていてもまだ好調です。

大阪市内の中央区、北区、西区などの賃貸需要、購入需要の高い地域では昭和40年代の建物でも60平米もあれば1,200~1,300万円ほどで取引されていますし、昭和56年以降の新耐震基準の建物なら1,500万円を下りません。

新築で3,000万円で買ったマンションが30年経っても1,500万円で売れているとしたら、年間50万円で住めていたことになります。

その当時ならもっと安かったでしょうが・・・

中古で2,000万円くらいで購入している人なんかは、今の時世ですと購入時よりも高くで売れていることもあるのですよね。

でも戸建ての場合はどうでしょう?

中古でうまく購入している人は別ですが、新築で購入し何年後かに売却している人でうまく売り抜いている人をほとんど見かけません。

それほど新築価格からの値落ちが激しいのです。

戸建ての場合なら、価格が下がったタイミングを見計らって購入し、リフォームして住むというのが損をしない買い方になります。

マイホームなので損とか得とかじゃなく、住みたいところに住むんだという人には関係ないお話ですが、どっちが将来的に得をするのかという観点から見るとマンションの方が今は得をしていますねというお話です。

でもマンションを購入していていれば何でもいいのかと言われるとそうではありません。

地方のマンションや駅から遠いマンションなどでは価格が暴落しています。

不動産を負の不動産に変えないために物件選びは重要です。

物件選びさえ間違わなければ、不動産は資産になっていきます。

自宅、マイホームも同じ購入するなら資産にしたいですよね。

それならば物件選びは慎重に。

住みたいところに住むということだけでなく、将来のビジョンをきちんと見極めて、売却する可能性があるなら売却しやすい物件、値下がりしにくい物件、そしてご自分の不動産価値を下げない使用方法をしていてくださいね。

そして売却するさいにはライフコンサルティングにご用命ください。

ご相談お待ちしております。