今私がしている仕事は不動産の仕事です。

全ての業務に対してプロであるという意識で仕事をしています。

でもお客様はプロという目では見てくれません。
もちろん既存のお客様はそれなりに評価してくれているとは思いますよ。
でも一見のお客様には判断しにくいのがこの仕事です。

不動産業社の数は日本に約13万。
宅地建物取引士の数も約100万人。
プロの数としたら多すぎます。
コンビニの数が5.5万件なので、コンビニ店長が5.5万人。
宅建士を基準にしても1/18です。

日本のプロ野球NPBで考えると、支配下登録選手が各球団70人。
12球団で840人。
これだけの数しかいないのに余裕のある年俸をもらっている選手はそんなに多くはありません。
なのに不動産屋の数はこれだけ多いのに裕福な生活をしている人はたくさんいます。
ヌルい世界ですよね。
もちろん宅建士の中には不動産業に従事していない人も含まれていますし、中には学生であったり主婦であったりします。
免許があるとかお店を出しているからプロというわけではありません。
プロスポーツの世界では試合の成果で判断されます。
飲食店ではクチコミや食べログなどを見れば一目瞭然です。
でも不動産屋ってクチコミサイトを見てもほとんど評価など出ていませんし、自社ホームページでお客様の声を載せていたりしても自作自演の場合も多くあります。
一体何を基準にしていけばいいのでしょうね?

『お金を一円でも稼げばプロ。だからプロとしての意識を持って仕事をしろ。』
以前部下とか社員の子にはそう教えていました。
でもそれは間違えていました。
意識を持っていてもそれだけのスキルがなければプロではありません。

プロの資格がなくてもプロのフリができるこの仕事大丈夫なのでしょうか?

私は以前麻雀プロとして活動していた時期がありました。
プロテストを受け合格し、リーグ戦に参加していました。
でも報酬は麻雀店のゲスト料やアーケードゲームの参加料、大会の賞金のみです。
麻雀プロとしての活動でお金を稼げませんでしたので、そういう意味でいうとプロと呼べるのかどうか?
超メジャーな雀士でない限り不動産屋さんの新人営業マンの給料をも稼ぐことは容易ではありません。
それでもプロとしての誇りを持って麻雀を打ち、日々の研究を怠りません。

不動産屋さんで同じように日々勉強し、朝から晩まで不動産のことを考えている人ってどのくらいいてるのでしょう?

ほとんどいません。
私は『職人』という言葉の響きが好きです。
大工さんや伝統工芸の職人さん、左官屋さん、お寿司屋さん、板前さんなど、一つの仕事に特化してその技術を磨くために日々鍛錬を続ける人です。
でも不動産業って賃貸から売買、建売から投資用不動産。いろいろな業態があり、その業態に特化していても職人とは呼ばれません。
弁護士さん、司法書士さん、お医者さん。
こういったお仕事も一つの仕事に特化し『先生』と呼ばれますが、私たちは一つの仕事に特化していても『職人』とも『先生』とも呼ばれません。

これって結局尊敬されるような仕事ができていないということなのではと思ってしまいます。
プロとして活動するには活動のフィールドが広すぎます。
会社の数が多すぎます。
あなたがもし不動産屋さんになりたいとしていたら、それは今すぐ叶う夢です。
不動産業界は年がら年中人手不足です。
会社の規模、賃貸、売買、管理を問わなければいつでも就職することができます。
開業するのも簡単です。
宅建士がいて事務所があれば過去の実績、業歴など関係ありません。
なので質が低下するのです。
もちろんダメな不動産会社さんばかりではありません。プロとして活動するには活動のフィールドが広すぎます。
会社の数が多すぎます。
あなたがもし不動産屋さんになりたいとしていたら、それは今すぐ叶う夢です。
不動産業界は年がら年中人手不足です。
会社の規模、賃貸、売買、管理を問わなければいつでも就職することができます。
開業するのも簡単です。
宅建士がいて事務所があれば過去の実績、業歴など関係ありません。
プロと宣言した時点でプロ。
そこにはテストもなければ実績も必要ありません。
なので質が低下するのです。
もちろんダメな不動産会社さんばかりではありません。
そうした会社さんも何となく起業しちゃったという不動産会社さんと同じように見えてしまうことが問題です。
駅前に間口の広いこぎれいな店舗があるからといって安心して相談できるわけではありませんし、逆にエレベーターのない雑居ビルで3階、4階の事務所だから安心して仕事を任せることができないというわけではありません。

聞いたことある名前だから大丈夫。
小さい会社だから心配。
ではなく、その会社がどういった仕事をしているのか、どういった考え方をしているかを把握しておくことが必要です。

小さい会社が情報発信していくためには、自社ホームページをいくら丁寧に作ったところでなかなか見てもらえません。
お客様が自分の会社のことを検索してくれる機会がまずないからです。
自分の考え、自社の取り組み、進んでいく道を自分の言葉で伝えていくために私はブログ、SNSという方法を取っています。
それは、自分の言葉を多くの人に伝えていくための数少ない手段だからです。

オーナーさまの利益を最優先に考えない管理会社、売主の利益のための動きより仲介手数料を優先してしまう不動産仲介業者、オーナー・管理会社から出るバックによって紹介する物件を選ぶ賃貸仲介業者が今の日本にはたくさんあります。
そりゃそんな会社の社員を職人と呼べるわけがないし先生と崇めるわけもありません。

売上をたくさんあげることがプロと呼ばれる世界なら、この世界でプロと呼ばれたくはありません。

スポーツの世界ならお客さんを魅了し、後進の憧れになるものがプロです。

不動産の仕事をしていてもお客さまがワクワクするような提案、こんなやり方があったのだと感心させるのがプロなような気がします。

今までにない提案、誰もがしないであろう提案・企画、そんなみんなが楽しめることを発案できれば『職人』と呼んでもらえるのでしょうかね?

プロであるより職人でありたい。
格好いいですよね。そっちの方が。

同じ物件でも提案の仕方一つで大きく変わります。
更地があって、家を建てましょうって誰でも言えますしアパートやマンションを建てましょうも誰でも言えます。
賃貸の空き部屋があって、家賃を下げて募集しましょう。
バックを増やしましょう。
こんな提案誰でもできます。
それじゃイヤなんです。
それじゃダメなんです。

空き家があって売るのか賃貸に貸すのか、そんなこと誰でも判断できます。
何かもっと選択肢があるはずなのです。
いろいろな選択肢を示してメリット、デメリットを提案してあげる。
空き地があるからアパート建てましょ。
その建築費のローンを組むためにサブリース期間を30年、35年にしましょというような売るためのスキーム作りではなく、収益を向上させるためのスキーム作り、仕組みづくりをしたいと思い奔走しているのですが、金融機関の協力をなかなか取り付けることができません。

前例のないものにはお金をなかなか貸しては貰えませんし、すでにプロジェクト自体を立ち上げているなら自分が資金調達すればいいだけの話なのですが、お客様にこういう提案をしたいのでこういう資金を出せませんかという内容ではなかなか話が前に進みません・・

こういう時には組織力が必要になります。
個人がいくら声を大にして叫ぼうともなかなか耳を傾けてくれません。
政治の世界と同じです。
日本の法律がおかしいとか、予算の使い方をこうした方がいいと無所属の議員さんが訴えたところで何も変えれないのと同じすが、もし大局を握っている団体に所属していれば話は変わりますよね。

個人の力ではどうすることもできないこともあります。
でも数が集まれば多少は変わってくるのかなと。
このブログを不動産屋さんの営業マン、社長さんたちからいつも見てるよと声をかけられることがあります。

そうした人にこの声が届けば何かを変えれるのではないかと考えています。

お客様を喰い物にしてしまう商売ではなく、お客様を育てていける商売に変えていかないと業界は生き残っていけません。
資産価値の薄い物件を多売し、ローンの借替え、住替えの効かない物件を売りつけるのではなく、資産価値の下がりにくい物件を提案したり、資産価値を下げないようにきちんとアドバイスを施し住替えを容易にすることにより、中古の流通が生まれます。

投資用不動産ではきちんと利益の出る物件を提案することにより、次の不動産購入に繋がります。
お客様をコロすのではなく活かすことにより新たな流通が生まれます。

賃貸でも同じです。
空き部屋が全くなくなってしまえば賃貸仲介業者の仕事はなくなります。
供給過多になっても物件が増えることを喜びます。
オーナーは競合相手がいない状態で満室というのが望ましい形ですが、そうはさせてくれません。
このままでは利益相反関係です。

より良い方法で満室にし、オーナーに利益をもたらすことで新しい物件を取得する、建築する。
こういうやり方をしていかないととてもじゃないけど成り立ちません。

相手側に利益を出した後、初めて利益を享受できる仕事。
これが私たちの仕事であるべきです。

所有している不動産を手放すとき。
マイホームでも投資用不動産でも同じですが、支払いがままならないので手放す。
こうした売却のケースを限りなく0にしなければいけません。

マイホームなら手入れして見栄えの良い状態に変えてから売却をしてあげる。
場合によっては転居先住居も用意し、リフォーム費用を立て替えてあげる。

投資用不動産なら満室状態にし、外壁や屋上防水など修繕工事を施して買主の融資がつきやすい状況を作り上げて売却する。
これだけで軽く1割、2割は売却価格を向上できます。
うまく売却できれば当然立て替えた費用は回収できますから、何の問題もありません。
『そんなことするくらいなら安くで買い取って、同じ売り方するよ。だって儲かるんだから。』
こういうことです。

より高く売却する方法を知っていても手助けしません。
人助けをできる方法を知っているのに教えないのは罪です。

方法はいくらでもあるはずなのに‥

賃貸でも部屋付する方法などいくらでもあるはずなのに、高いリフォームをかけさせたり、家賃を下げさす方法を示唆します。

うーん。
お金儲けやめませんか?

株のディーラーは投資の運用益で報酬が決まるのですよね?
つまりお客様に利益をもたらした分から自分の報酬が決まる。
不動産では、売却価格だけで報酬が決まります。
500万円の利益を出した1,000万円の物件より、2,000万円の売却損を出した5,000万円の不動産の売却を手がけた方が報酬が大きくなります。

しかもより多くの利益を出す売却の方法の方が難しいのにです。

不動産売買では金融機関の斡旋も行います。
金利3%で1億円の貸付を受ける場合と金利1%で1億円の貸付を受ける場合では、年間200万円の金利負担が変わります。
でも物件価格が1億円なら報酬は物件価格により決められます。
ということは、不動産屋さんにとっては金利がいくらであろうが融資さえつけば売買契約ができるので問題ないということになります。

お客様にとっては仲介するよりメリットのあることなのに。

どうしたらいいのでしょうね?
考えれば考えるほど分からなくなってきました。

結局自分で信念を持って探求していく。
これしかありませんね。

不動産の職人になれるようにコツコツ頑張りましょう。


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