最近中古の収益一棟ものマンションや戸建てなどで

(これ利回り良くて面白そう。)

と思って資料を取り寄せると何部屋か『民泊』という文字があったりします。

民泊を運営している人向けに賃貸で貸しているという表記なのですが、通常の家賃に比べて1.5倍や2倍で貸しているケースもあります。

中には一般賃料の3倍以上の家賃を堂々とレントロールに書いてあるケースも・・・

さすがに運営している人も利益は薄いでしょうからすぐに撤退してしまうかもしれません。

そうなるともう収支もあったもんじゃないですよね・・・

しかもそうした物件は『特区民泊』の申請できない25平米以下の部屋だったりします。

はたしてこのレントロールを提出して金融機関の融資が受けれるものなのでしょうか?

相場の賃料と比べて明らかに高い賃料ですし、金融機関が申請していない民泊を認めるわけにもいかないしどうするつもりなのでしょう?

それで表面利回り6%とか7%とかだったりしますので、もうボッタくりです・・・

通常の物件を旅館業の申請可能な物件に転換して売却するならまだこのスキームはありなのかなとか思ったりしますが、少し売主のモラルも仲介業者のモラルも低下してきているような気がします。

もちろん知識のある買主さんは一般賃料に引き直したり、民泊運営を継続してもらえるように設備投資の費用などを勘案して購入するでしょうが、仲介業者さんに騙されてそのまま購入してしまうケースも想定できない訳ではありませんので少し気が滅入ります。

いくら中心地の物件とはいえ、土地から購入して建物を建築しても表面利回り5%や6%では回ります。

それなのに中古の利回りが6%、7%というのは少し高騰しすぎなような気はします。

調達金利も1%を切るような時代になっていますからそれでもまだ採算は取れるのでしょうが、あえて築後15年、20年の物件を表面利回り7%で購入する意味が分かりません。

中古物件の場合は決済が終了したらすぐに家賃収入が得れますから支払いには困らないのですが、それでももっと違う選択肢があるような気もします。

鉄骨造、RC造なら15年、20年経ってもまだまだ建物はきれいままですし金融機関の評価も付きやすくなっています。

でも中の設備はそろそろ交換時期に差し掛かります。

エアコンは15年も持ちませんし、給湯器、洗面台もちょうど交換時期、キッチンや浴室もそろそろ交換を視野に入れる時期です。

前オーナーもそうした費用負担を見越して売却することを考えていたのかもしれません。

私が中古物件を勧める際には満室状態の物件より、空き部屋のある部屋を勧めています。

しかも、1室、2室空きではなく、複数戸空いている建物。

極端な話半分くらい空いている物件が理想です。

そういった物件のオーナーさんはお金に困っていて空室対策を施せないか、手放さないといけない理由があるからです。

したがって通常より安く購入できるチャンスがあり、満室にする・家賃収入をUPさせることにより物件の資産価値が上がります。

そうなると売却するときにも価格に反映されます。

かたや満室状態の物件は今以上に収益を向上させる方法がない物件です。

しかも、先ほどのような目に見えない費用負担が隠されている物件ということになります。

どちらがいいと思いますか?

もちろん後者の方がいいと思う方が多いのではないでしょうか?

でも後者の場合、リフォーム費用や空室対策にかかる費用などが物件購入資金以外にも必要になります。

つまり資金に余裕のある方しか購入できないわけです。

金融機関が物件代金、リフォーム資金など全て出してくれればいいのでしょうが、なかなかそんなに甘くはありません。

物件価格分は出してくれてもリフォーム資金や諸費用は自己資金が求められますし、そもそも物件価格満額の融資を引き出そうとするとそれなりの金利を提示されたりします。

こうなると長期保有すると金利負担が大きくなります。

どうしましょ?


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ここをうまく考え抜くことができれば、不動産投資の『インカムゲイン』だけでなく『キャピタルゲイン』を生むことが出来てくるわけです。

方法としては、物件購入資金とは別枠で事業性融資を借り入れる。

保証協会や生活金融公庫などで会社の運転資金や物件のリフォーム資金という形で融資を受けるのが一番現実的かもしれません。

本来融資を受ける目的以外の資金使途は禁じられていますので、法人の余力資金でリフォーム、空室対策をし、目減りした資金分を運転資金で補うというのが分かりやすい構図でしょうね。

ただこの手法は法人でしかできない方法です。
個人でやる場合は、物件に対してのリフォーム費用という形で融資を受けなければ難しいと思います。

もう一つ法人の場合の有利な点があります。

個人が売却して利益が出た場合、キャピタルゲインには不動産譲渡所得税が課せられます。

1月1日現在で所有期間5年を超えていない物件を売却して利益が出た場合、利益分に対して39.63%(所得税30.63% 住民税 9%)、5年を超えている場合は20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)を支払わなければいけません。

約40%が税金で持っていかれるわけですのでメリット感は大きく失われます。

法人の場合は事業内容、申告の方法如何で事業所得の一環として対処できる場合があります。

このあたりの方法や自分の会社でも行えるのかということは専門の税理士さんにご確認くださいね。

私が責任を持ちかねるお話なので・・・

いずれにせよ、キャピタルゲインを生み出すためには工夫が必要です。

建物は古くなるにつれて当然資産価値は下がります。

資産価値を下げない方法を考えていけば物件価格を向上できます。

資産価値??

収益物件の場合は、家賃収入です。

家賃収入を上げるためにリフォームしたり、外壁塗装を施したり、共用部分を改装したりするわけですが、前述の民泊用物件として貸し出すというのもこの中の一つの方法です。

冒頭で非難はしましたが、これは賃料を上げすぎなのと売値が高すぎるからですよ。

一般物件だけの表面利回りなら7%、でも民泊で貸し出している部分があるので10%になる。

こんな物件ならまだ魅力はあるかもしれませんが、民泊で数多くの部屋を貸し出していて表面利回り7%とかは少しあり得ないかなという話でした。

私は民泊の話はとても興味があり、いろいろ調べたり、自分で許可運営すべく動き回っています。

これは空室対策の一環として活用できないかと思っているからで、投資用物件の売値を上げるために利用するという方法は思いつきませんでした。

所有している物件の利回りを向上するためにお手伝いができればと思い、始めたことですが、もし売却するために利用されるとしたら何かイヤですね。(笑)

誰かがババをつかむ話になるわけですよね。

バブル期の最期と同じになってしまいます。

もし空室でお困りのオーナーさま、収支が圧迫してお困りのオーナーさまがこのブログを見ていただいていましたら、ぜひ今のうちにご相談ください。

そして、中古の低利回りの収益マンションをご購入しようとしている方がいらっしゃいましたら、ぜひご購入前にご相談ください。

違う選択肢があるかもしれません。

不動産投資で失敗する人が増えてしまえば、今の業界の好景気が止まってしまいます。

そうならないように、失敗を未然に防げればと思っているのですが、なかなかひどい商品でも今の時代どんどん売れています。

『えっ。こんな物件が売れるの?』

と思う物件がレインズからどんどん消えていきます。

誰かが買っているのですよね?

いったいいくらの金利で、どのくらいの年数で借り入れをしているのでしょう?

私の良識の範囲での借入ならキャッシュフローなど回るわけがないのですが・・・

今の時代、どんな物件でも25年、30年の融資を組んでくれたり、満額融資をしてくれる金融機関がありますが、そこに簡単に乗っからないようにしないと破たんへの道を突き進んでしまいます。

こんな事ばっかり言ってるからなかなか売る物件がないのですがね。(笑)

購入する物件はきちんと見極めてご購入くださいね。


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