不動産投資で基準になる数値として『利回り』があります。

ただこの利回り、広告等で表示されているのはあくまで『表面利回り』です。
皆さんが基準にしている数字もこの表面利回りではないでしょうか?

表面利回りには『現状利回り』と『満室時想定利回り』があります。

満室になればこの利回りが期待できますよというものです。
物件の中には満室に簡単にできる物件と、どうやって満室にしようかと頭を抱える物件があります。

この満室時想定利回りに振り回されてしまうと、不動産投資は『絵に描いた餅』になってしまいます。

満室になって初めてキャッシュフローを生み出す物件ならなおさらです。

現状のままで収支が成り立つ物件。
満室になればさらなる収支を向上できる物件。
これは最低限の条件ですが、みなさんが物件を検討する際にどういう点に注目して資料を見ていますか?

まず考慮する点。
①家賃収入
②ランニングコスト
③固定資産税
④毎月のローンの支払額

このくらいはみなさん当たり前のように確認はしているはずです。
この計算すらできていなければ家賃をもらっても、手元にいくら残っているのか、逆に吐き出しになっているのかさえ把握することができませんものね。

まず①の家賃収入に対して。
この家賃収入には共益費というものが含まれています。
中には毎月の水道代まで含まれている場合もあります。
水道代が含まれているということは、購入したオーナー様が毎月まとめて入居者から徴収して、水道局に支払っているだけのことだということです。
つまりこの水道代の部分は支出が伴うということになります。
その分割り引いて考える必要がありますよね。

次に②のランニングコストです。
このランニングコストには、エレベーターがあればその毎月の点検費用、共有部分の電気代、水道代、建物内をきれいな状態に保つため定期清掃代なども含まれます。
民間のゴミ収集を委託している場合にはそのゴミ収集代も必要になります。
マンション管理を不動産会社に委託する場合は管理料が別途必要になります。
この管理料は家賃の3%から5%。
最近では一室いくらという業者さんもあります。
これだけで終わらないのがマンション経営です。

店舗がある建物や物件の規模が大きくなれば消防点検も必要ですので、消防点検費用も必要になります。
またマンション全体の給水を貯水タンクで行っている場合は定期的に清掃が必要ですし、水質検査の報告、届け出も必要になります。

これらの費用を計算に入れておかなければ思わぬ出費で頭を抱えることにもなりかねません。

③④に関しては言うまでもなく、収支計算の柱ですから、きっちり確認しておきましょう。

ここでまだ終わりませんよ。

不動産投資を始めたけど、
『あまり手元にお金が残らないなぁ。』
こう思う方は少なくはありません。

なぜなら?

不動産投資はいつも順風満帆ではないからです。
最強の敵『空室』が必ず発生します。

空室の恐ろしいところは
『家賃を生まない』
だけでなく
出費を伴う』
というところです。

空室期間中は当然家賃は入ってきません。
空室が発生するとリフォームの必要が生じます。
空室をリフォームしても勝手に次の入居者はやってきません。

多くの場合、不動産会社に客付けを依頼することになるのですが、お客様を紹介してもらうのにフィーが発生します。
リフォームと不動産会社への手数料でせっかく残ったキャッシュフローは吹き飛びます。
これが毎月のように発生すれば、誰のためにマンションオーナーになったか分からなくなりますよね。

家賃収入で生活しようとするならば、いかに『満室経営』をするかが大切です。

物件を選ぶときのポイント。
空室に強い物件かどうか?
そういう意味でいうと選んではいけない物件が浮き上がってきます。
『駅から遠い物件』
『バルコニーのない物件』
『三点ユニットの物件』
部屋の工夫だけで空室を埋めることができなければどうするのか?
家賃を圧倒的に下げるか、業者さんに支払う手数料を多く支払うかの選択しかなくなります。

どちらの選択肢を選んでも収支を圧迫することになります。
苦渋の選択ですね。

テクニック次第で何とかなる物件ならともかく、自分の努力で何ともできない物件は購入すべきではありません。

昨年中古の一棟もののマンションをご購入いただきました。
その物件をオススメしたのは理由があります。
①前オーナーが外壁塗装などを近年で施していたこと。
②三点ユニットの物件だったが、近所に大学があったこと。
③入居者が比較的年齢層の高いお客様が多く、頻繁に入れ替わりが起こらないことが予想できたこと。
④最後に、その段階で管理していた管理会社が募集活動等を積極的に行っておらず、改善の見込みがあったこと。

これらの理由がありました。
購入と同時に管理会社の変更を提案していたところ、2ヶ月で空室はすべて埋まり満室稼働になっています。

三点ユニットだから絶対ダメというわけではありません。
なぜ空室が空室のまま残っているのか、その理由がはっきりしているときはチャンス大です。

物件を生まれ変わらせることができれば、まさにこれこそが不動産投資の醍醐味です。

修繕履歴はきちんとチェックしましょうね。
これにより耐用年数が伸び、融資期間も伸びます。
築年数だけで、利回りだけで判断してはいけません。
物件の選定基準はあくまで総合評価です。

物件選びに悩んだら、とりあえずご相談ください。
うちで紹介した物件以外にもご相談に乗らせていただきます。

そのために新サービス『不動産コンシェルジュ』サービスを始めています。


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お待ちしております。