地元密着

不動産屋さんにとってはとても大事なことです。
地域に根差した会社作り、これもとても重要なことです。
店舗展開をどんどん押し広げている会社では、競合他社に勝つこと、地域でNo.1になることが求められます。
その地域、地域でNo.1になれば会社のメームバリュー、ブランド力が強化されていきますので当然の戦略です。

他社に勝つ
決められたパイの中で自社のシェアを伸ばす。
これも当然の戦略なのですが、そもそもこの考え方が業界の拡張を妨げているような気がします。
決められたパイではなく、シェアを拡大すること、需要を生み出すことが必要なのではないかと考えています。
需要のないところに新たな需要を作り出す何かが。

今までのやり方は、
例えば賃貸から売買へお客様を誘導する。
『今の家賃並みの支払いでこんな素敵なマンション(一戸建)に住めますよ。』
『家賃を払い続けても一生自分のものにならないですよね?』
こんなアプローチは誰もがやっているやり方です。
逆に賃貸にするか購入するかを悩んでいるお客様には
『購入してしまえば転勤とか、お子様が学校に馴染めないとか、そんなことが発生してしまえば簡単に引越しできないですよ。』
『購入した場合、物件価格と別に諸費用が発生しますし、新築なら引越しした途端に一割は値下がりします。売ろうと思うと何百万も損しますよ。』
相談する会社、賃貸の会社さんか売買の会社さんか、これによって返ってくる答えは違います。
当然自分のテリトリーにお客様を誘導しようとするからそうなるわけです。
でもこれって、本当にお客様のことを考えてお話ししていることではないかもしれません。

たまたま賃貸業者に相談に行ったから賃貸に。
たまたま売買の業者さんに相談に行ったから売買に。

投資の話なら、証券会社に相談に行けば株式投資、投資信託。
銀行に相談に行ったら投資信託、国債?
不動産屋さんに相談に行けば不動産を勧められます。
ごくごく当たり前の話です。
そしてどの選択肢をしても、今はこれが一番お勧めですと、何らかの商品、債権、物件を勧めてくるでしょう。
まぁ、ビジネスですからね。
そうなりますよね。

どの選択肢を選んでも、本人が納得いき、その選択肢が誤っていなければそれでいいですよね。

先ほどの賃貸に誘導する話でも、売買に誘導する話でも同様です。
でも、今までと同じやり方ではこの先どうなるの?
人口減少、少子高齢化、大学生の下宿離れなど賃貸業界には逆風が待ち受けています。
売買の方でも、地方の住宅ローン業務から撤退するというメガバンクが出てきたり、消費税UPで購入意欲がどうなっていくのかという心配も尽きません。

需要は放っておいたらどんどん低下していく一方です。
その中で、どれだけ地域No.1になろうと、シェアを拡大していこうと、結局パイを広げないと売上は拡大していきませんよね。

つまり、どうやって需要を生み出すか、ここに尽きるわけですよ。

一人暮らしをしたいと思っていない人に、一人暮らしをしたいと思わす何か。
家を買いたいと思っていない人に、買いたいと思わす何か。
旅行に行って、ついつい買い物しすぎちゃった的な、気分良く、自主的に、かつ継続できるような何か。

25年前、賃貸住宅の家賃は毎年上昇していました。
1年契約、更新時賃料3%UP、更新料1ヶ月分、こんな賃貸契約もありましたし、新築時より次の入居者の賃料の方が高くなった物件もありました。
更新料というシステム、これは引越しを考える一つのキッカケになりました。
更新料を払うなら一層のこと引越ししようか?
賃料の上昇も同じくです。

つまり賃料の上昇や、更新料を取れるほど需要が高まれば、さらなる需要が生まれます。
でも今の賃貸契約って敷金はおろか、礼金も満足に取ることができなくなってきていますので、入居者にはできるだけ退去して欲しくない。
退去者が出ると、再募集の改装費、募集経費の負担がきつい。
家賃相場がどんどん下落している時には、自分の家賃と周りの相場を比べて割高だなと感じれば引越しの動機も生まれます。
競争力のない物件、例えば3点ユニットの1room、駅から遠い物件、バルコニーのない物件などは家賃や入居時の初期費用など価格で勝負しないといけません。
そこで近隣物件との勝負に勝ち抜くために、こぞって家賃や初期費用を下げました。
その結果どうなったかというと、近隣相場が下落し入居者の入れ替えが起こり、結局自分のマンションで得れる全体収入が下がる。
まさに負のスパイラルですね。
競合他社に勝ち抜くだけの戦略は、結局市場規模自体を縮小させてしまうことになるわけです。
これは安易に賃貸業者さんが
『家賃を下げましょう。』
『礼金をなくしましょう。』
『手数料を増やしてください。』
戦略的提案ではなく、ただ、今の空室を埋めるだけの提案をし続けた結果が引き起こしたものです。
自分のマンションにも新しい入居者が来るチャンスではありますが、自分のマンションから入居者が出ていくことも当然あるわけです。
私も賃貸業界にいた時期、礼金なしでの契約をオーナーに提案をしていました。
その当時はまだ礼金なしで契約できる物件はほとんどなかったので、新しい需要を開拓する意味で提案していたものでした。
前の入居者が退去したあと、
『原状回復のクロスの貼替えなしにしてもらう代わりに礼金0でお願いできませんか?』
また、
『家賃を5,000円UPするので、礼金0で提案させてもらえませんか?』
これならオーナーさんにもメリットがあり、入居者の方々にもとても喜んでもらえました。
その当時は直接個人のオーナーさま、地元密着の管理会社さんとお話しさせてもらう機会が多かったですので、こういう提案を受け入れてもらったり、逆に叱責を受けることも少なくはありませんでした。
そういう叱責を受けたからこそ、オーナーさんにもメリットのある提案を考え続ける努力ができたんでしょうね。
でも中には、
『お前は家主じゃないから、家主の気持ちが分からないんだ。他人のふんどしで相撲を取ってるからそんなことが言えるんだ。』
こんなお叱りを受けたこともありました。
『たしかに。そう言われてしまうのももっともだな。自分もオーナーになってから、このオーナーさんにもう一回提案してみよう。』
『自分でも賃貸物件を取得してオーナーになろう。そうすれば家主の立場として発言でき、このオーナーさんも納得してくれるのでは。』
会社名義ですが、私が賃貸マンションオーナーの立場になったのは、この叱責を受けてから半年後のことでした。
(ひょっとして一年近く経っていたかもしれませんが。)

で、改めて提案してみました。
すると、
『おたくがそうやってるなら、うちもやってみてよ。』

善良なる管理者の注意義務。
宅建の勉強をしていたら出てくる言葉です。
これは常日頃意識しているつもりですが、相手側にとっては同じ立場の人間の意見の方がやはり受け入れやすいですよね。
そこから、常に新しいこと、新しい提案、今まで多くの人がやっていないこと、これらは極力自ら実践するようにしています。

新たな需要を作り出す。
簡単ではありません。
だって、誰もが思いつくことはもうすでに誰かがやっていることであり、うまくいっていることはもうすでに誰かがやっていること、そして継続していないことは誰かがやってうまくいかなかったこと。
ほとんどの場合そうです。
でも中には時代の流れより先駆けすぎて、その時代にはうまくいかなかったけれど、今の時代にはマッチする。
こういうこともあります。
シェアハウスなんかもそうですよね。
昔でいう下宿、寄宿舎です。
共用部分を充実させたり、同じコンセプトを持った入居者を集めたりと形は大きく変わっていますが、復活した事業形態です。

賃貸のIT重説が始まりました。
VRの内覧、物件紹介もこれからどんどん活発化していくでしょう。
その中で求められるのは、業者、オーナーのモラルです。
発信者側のモラルです。
今の広告はいいことしか書きません。
『日当たり良好』『小学校まで徒歩1分』『暖房乾燥機付浴室』・・・
日当たり良好って言っても、実は西向きで西陽が強く差し込むだけだったり、
小学校までは徒歩1分の距離だけど、それは裏門までであって、正面入り口までは遠回りが必要で校庭が目の前だからお昼休みとかはうるさくて仕方ないとか。
浴室乾燥機が付いていたのは、実はバルコニーに陽が当たらなく洗濯物が乾かないからだとか、そんなネガティヴな情報はネット広告には存在しません。
言わなくていいものは言わない。
聞かれてないことには答えない。
この風潮が変わらない限り、ネット上で契約が完了することがありません。
お客様の方も、自分の目で確認しないと心配なので現地案内というのが必要になってきます。

でも、ネットで契約完了するのが前提ならば話は変わってきます。
後からクレームを言われるのが困るので、ネガティヴな情報は前もって伝えておこう。
契約に進む際には必ず言わなければいけないので、最初から明記しておこう。
これが当たり前になってくればVRは格段に進化してくるはずです。
また、不動産の案内という原始的な方法すら必要なくなるかもしれません。
そうなれば、不動産仲介の会社、特に賃貸系の仲介会社は必要なくなるかもしれません。
売買の場合は金額も高額ですし、リスクも含んでるのでCtoCの取引に腰が引けるお客様も多いかもしれません。
でも競売物件のように、きちんとした調査資料、不動産鑑定なども付けば安心した取引が可能になり流通が活性化する可能性は高まります。
個人のお客様が不動産鑑定を自費で導入し、オークション方式で売却にかける。
これが今や日本のスタンダード。
こんな時代が来るかもしれませんよー。

まぁ、こんなことを想像しながらそんなことになった時の自分の立ち位置をどこにするか、これから自分がどう動いていくか、そんなことばかり考えています。
できればその流れの中にうまく紛れ込みビジネスとして成立させたい。
今と違う形でライフコンサルティングという会社の存在意義を見出したい。
そう思っています。

今、不動産売買のオープンハウスでの現場待機、これに変わる新しい形を作りたいと思って奔走しています。
といっても、まだ走り出したのは2、3日前の話ですが。(笑)

無駄なことは極力なくし、お客様にとって必要なものだけを残す。
業務をできる限り簡素化し、コストダウンを図り消費者に還元する。
どこの企業でも、どこの業界でもやっていることです。

なので頑張って年末までにアイデアをまとめてみたいと思っています。

来年をさらにいい一年にするために。

来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、来年のことを考えれない人に未来は微笑んでくれませんからね。

さぁ、頑張ろうっと。