賃貸の需要と供給のバランスが崩れています。
特定優良賃貸住宅に見られるように、以前は県営住宅、市営住宅が不足しており民間の力を借りるために補助金や低金利などの融資でどんどん建築を推進している時代もありました。

そんな時代は大家も左団扇で、新築を建てれば入居希望者がどんどん集まり、完成時にはほぼ満室でスタートすることも珍しくはありませんでした。  

だって賃貸住宅が不足しているという前提があったわけですから当然と言えば当然の話です。

でも今はどうでしょう? 

竣工後もまだ募集をかけ続けているマンションやアパートも多く見られます。
中古の住宅なんかは、半年一年空室のままという部屋も珍しくはありません。

大家は広告料、業務委託費などの名目で(賃貸住宅の斡旋は貸主、借主双方で賃料の1ヶ月分までしか仲介手数料を取れないので)多大な出費を強いられるようになっています。

『何とかうちの部屋にお客さんを紹介してくれないかな?』
大家自ら賃貸業者に資料を持ってお願いに上がるケースも増えてきました

『うーん。そうですね。少し周りの相場より高いと思うので、賃料交渉に乗ってもらえますか?』
『もう少し手数料増やしてもらえれば走りやすいのですが。』
こんな話をされるケースも増えているのではないでしょうか?

大家さんと言えば、一昔前なら一般人から見ると雲の上の存在でした。
地主さん、事業で成功したお金持ち、こういう大家さんがほとんどでしたが、今はそうではなくなっています。

サラリーマンをやりながら大家業を営んでいる人、主婦でマンションオーナーの人、職人さんをやりながらマンションオーナーになっている人、様々な人が大家として頑張っています。

これがどういうことかというと、
大家になるハードルが下がって、誰でも(誰でもと言えば語弊がありますが、以前に比べてという話です。)マンション経営に参入できるようになったということです。


お金持ち=大家さん
地主さん=大家さん
ではなくなってきているのですよね。

地主でもなく資産家でもない人でも大家さんになれています。

私もそのうちの一人ではありますが。(笑)

もちろん昔からの大家さんも健在しています。

ただ、顔ぶれが昔と今では大きく異なっているということです。

参入のハードルが下がったということは、競争相手が増えたということです。

競争相手が増えたということは、以前のままでは競争に勝てなくなる時代に変化しているということです。

誰もが
『大家なんか、儲からないし手間もかかるしやってられないよ。』
こう思うならこれだけ参入者は増えませんから、魅力的なビジネスの一つではあると思います。

もちろん私も魅力的なビジネスだと思っています。
自分が休んでいる時も、お酒を飲んでいる時でも家賃収入は入ってきます。

今話題の民泊などもそうです。
民泊の場合は毎月ではなく毎日の収入を生みます。

ただそうは言っても、これからはその競争に勝ち残っていかないといけません。

あぐらをかいてテレビを見ていて生活費を稼いでくれる時代から、頭を使って情報を駆使して、ネットワークを活用して稼ぐ時代への変化です。

まずは、賃貸業者に頼りっきりの集客から抜け出すことが大切です。

先日のかぼちゃの馬車、シェアハウスのサブリースのニュースにも見られるように、業者頼り、業者任せではいざという時に打つ手がありません。

私の昔から知っている大家さんは、テナントが退出すると自分で声掛けに周り、自ら入居テナントを見つけてきていました。
大きなテナントになればなるほどです。

家賃収入は自分の収入に直結しますから、行動力が早いのです。
もちろん私たち業者にも声掛けはしてくれます。
お客さんを決めれば手数料も気持ちよく払ってくれました。

自分でも動くが一応業者も動かす。 

動いてもらうではなく、動かすです。

学校で受動態と能動態って習いましたよね?

受動態になってしまってはいけません、自らも動き自分が主体になるということです。

うまく利用するものは利用し、ただ頼りっきりにはしない。
これが本来大家のあるべき姿ではないのでしょうかね。

魅力的な物件を提供し、自分の情報網、他人(業者も含め)の情報網も活用する。

昔の大家さんって専業大家さんが多かったように思います。
自分が動かなくても奥さんが手伝っていたり、子どもさんがお手伝いしていたり。
それがいつの頃からか、兼業大家さんが増えたのですよね。

専業大家さんでもうまく賃貸経営ができず、物件を手放してしまった大家さんも多く出ました。 

それなのに兼業大家さんで業者任せで成り立っているのは、丸ぶりで運営できるラインで物件が購入できていたからです。
3〜4年前まではそういう時代でした。

でも今はどうでしょう?

物件価格が高騰し、耐用年数内でのローンではキャッシュフローが回らず、融資年数を伸ばし何とか毎月の支払いができている状態です。

販売業者がサブリース契約を付けたり、あたかも安定収入であるかのような表記でお客さんを募ります。

一年なのか二年なのかは業者さんにもよりますが、サブリース契約が切れれば放ったらかし、ローンが払えなくなっても自己責任でしょ、なんてこともよく聞く話です。

以前の大家さん(地主さん、建築会社にそそのかされて高い建築費のローンを組まされた大家さん)は借入当初の金利が高く、新築時より大きく賃料が下がったため支払いに窮してしまい物件を手放すことになりました。

と言っても、金利でいうと2%台から3%台の話です。

今もしすでにマンションオーナーであるあなたが、調達金利が3%近くであるなら、それは速やかに借り換えすべきであり、万一借り換えできないと言われた物件であるなら、まさに危機に直面しています。

しかも30年ローン、35年ローンを組んでいるなら尚更です。

今の住宅ローンの金利をご存知ですか?

頭金なしで年収400万円のサラリーマンが借入れる金利で0.6%、0.7%前後です。

その時代に3%も4%も金利を払っているとしたら。

しかも、その購入した物件が購入した金額でなど到底売れない物件だとしたら。

恐ろしい話です。

私たち不動産屋さんも物件を購入し転売することがあります。

その時に調達する金利は3%であったり4%近い数字であることもあります。

でも、短期で売却する目処があるからその金利で調達するわけですよね。

その金利が30年も35年も続くなら恐ろしくて借りれません。

仮に金利4%で30年、1億円のお金を借りたとして30年で支払う総額は17,187万円にもなります。
これが金利1%なら総額でも11,579万円です。

この差は歴然です。

つまり、安い金利で調達できない人は今は不動産を購入したらダメ。

高い金利で調達するなら、短期で売却する目処を持って購入すべき。

こう思うわけです。

マイホームじゃなくて収益物件だから大丈夫。
利回り10%あるから金利4%でも大丈夫。

利回りって何の利回りですか?
一年間通して純利が10%の物件を金利4%で調達しても大丈夫ですよ。

でも、その利回りって満室想定の表面利回りではないですか?

収入から改装費用、業者に払う手数料、固定資産税、ランニングコスト、そして不動産所得にかかる税金、全て考慮して本当に利益があるのかどうか、それが重要です。

それが仮に年間100万あったとしても、10年後に物件価格が1,000万円以上値下がりしているなら結局同じでは??

こんなことばかり言ってるから投資物件が売れません。(笑)

まぁ今は買い時ではないと思ってしまっていますから仕方がないことです。

でも私が今物件を購入しているのは、別の収益構造を考えているからです。

特に大阪市内の不動産は特区民泊の制度が活用できますので魅力的です。

もちろん消防法等の基準をクリアしていくことが大前提ではあります。

今の賃料以上に収益を生む仕組みを作ることができればまだまだ勝算はあります。

そんな物件をどんどん紹介していきたいですよね。

ただ、アパートローン、スルガスキームのように金融スキームが出来上がっていませんので、そこをどうやって確立していくのか、そこが課題です。

木造アパートが売り出されだした時、耐用年数の問題で当初25年ローンが目一杯でした。

それがいつの頃からか劣化等級があれば30年、35年のローンが付くようになり、当初の表面利回りが8%、9%から7%あたりまで低下しています。

金融スキームが登場した時にはもうすでに手遅れ。

みんなが手を出しだすと危険信号。

これはこないだの仮想通貨の話と同じです。

その前に先駆者利益、これを享受するのは今年が最期かな。

こう思っています。

民泊関係のご相談、物件取得のご相談も行なっております。

ぜひご興味ある方はご相談ご予約を。




*物件購入以外のご相談はご相談料をいただいておりますのでご了承ください。
詳しくは当社ホームページ、こちらをご覧ください。

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