戸建から不動産投資を始めるお客様が増えています。
融資を利用せずに現金購入で始める方がほとんどなのですが、まずなぜ現金で始めるのかというお話からです。
戸建というとまずどういうイメージをお持ちですか?
パッと思いつくのが新築一戸建。
マイホームとして検討した方も多いのではないでしょうか?
仮に3,000万円だったとしましょう。
もちろん立地、間取りにもよりますが家賃で貸し出すなら13万円から15万円というところでしょうか。
月々13万円なら年間で156万円、表面利回りで5.2%です。
月々15万円なら年間で180万円、表面利回りでやっと6%です。
このブログでもよく取り上げますが、新築戸建は値落ちの幅が大きいのです。
築5年で3,000万円で購入した物件が2,500万円、築10年で2,000万円になることもザラです。
購入時に物件価格と別に諸費用が必要です。
仮に8%かかったとしたら240万円。
売却時にも仲介手数料が必要です。
2,000万円で売却したとしても、3%+6万円で66万円、消費税も必要なので712,800円。
その他にも抵当権抹消費用も必要です。
売却時の費用として合計で75万円かかったとしたら、購入時の費用と合わせて315万円。
1,315万円損しているわけですから、仮に年間180万円家賃として入ってきたとしても10年で1,800万円ですので10年間の収支は485万円ということになります。
しかもここから、賃貸人募集の仲介手数料、途中で入居者が入れ替わっていたらそのリフォーム費用も必要ですし、毎年の固定資産税も必要です。
それに空室の期間の賃料は入ってきていませんのでこの場合の実入りは200万から300万円というところでしょうか。
1年で300万円ならもちろん魅力的ですが、この数字は10年間の数字なので一年あたりの平均実質利回りは1%ということになります。
これでも国債を買うよりいい利回りですから、それでもいいやという方にはオススメです。(笑)
これを融資利用して購入していたとしたらもっとひどい話になります。
年利1%で借りていたとしたら年間の利息はざっと30万円です。
10年間の利息でキャッシュフローは残らなくなりますよね。
というわけで、新築戸建を投資用物件として考えたら割りに合わないということは分かったと思います。
戸建投資ですでに運営している方のほとんどは中古の戸建を購入して始めています。
次はこちらで検証してみます。
中古の築浅戸建2,000万円、家賃11万円として考えてみましょう。
購入時の諸経費は8%、160万円で計算してみます。
10年後の売却価格1,500万円とした場合、まず1年間の家賃収入は131万円。
10年間で1310万円。
売却時の手数料、抹消費用で60万円。
(1,500万円+1,310万円-2,000万円-160万円-60万円)=590万円
10年間で売却したとしたら、手残りは590万円です。
ここから固定資産税や入退去に伴う仲介手数料やリフォーム費用などを差し引いてしまうと300万円くらいは手残りがあったということになりそうです。
1年間で割ると30万円。
2,000万円の投資で1年間30万円となると、実質利回り1.5%。
さっきとあまり変わりませんね・・
中古戸建の投資はやはり表面利回りで10%以上、できれば12%以上が狙える物件というのが一つの指標にはなります。
でもこうなると当然築浅の物件は狙えなくなります。
築後30年、40年といった物件がターゲットになってきます。
そうなるとそれなりにリフォームも必要になってきます。
水回り、キッチンや浴室、トイレや洗面台などの交換も必要になってくる年代です。
その辺りの費用も含め初期投資の金額を割り出すことになっていきます。
賃料5万円、年間60万円。
表面利回り12%とすれば物件価格、リフォーム代含めて500万円で収めることになります。
水回り全て交換すると、少なく見積もっても150万円は必要です。
もちろん水回りだけの改装というわけにもいきませんから、トータルで200万、250万円は見ておいた方がいいかもしれません。
でもここまですれば取れる家賃が5万円ではなく6万円でも取れるかもしれませんね。
6万円の賃料が取れれば表面利回り12%でも600万円まで投資できますので、少し選択肢が広くなります。
この場合のシュミレーションを先ほどと同様してみたいと思います。
築30年、水回りを交換した物件となると10年後でも売価はほとんど変わらないことが予測されます。
値下りしなかったとしたら、購入時の費用、売却時の諸費用の計算だけで成り立ちます。
600万円に対して8%の諸費用で48万円。
売却時の費用で30万円。
合わせて78万円を家賃収入で得た金額から控除します。
固定資産税も築年数が古い分安くなります。
途中入れ替わりがあったとしても、一度リフォームしていますので、そんなに費用も必要ありません。
空室期間中の収入がなかったとしても、固定資産税も含め10年間で100万円も控除して考えなくてもいいかもしれません。
となると、家賃6万円×12ヶ月×10年間で720万円。
そこから先ほどの100万円と諸費用の78万円を差し引いてもまだ542万円残ります。
物件価格とリフォームで600万円かかったとしても実質利回りで9%確保できることになります。
年利9%。
これはなかなか魅力ある商品になったのでないでしょうか?
10年間でほとんど投資した分は回収できていることになります。
ではこの物件を融資を受けて購入していたとしたらどうでしょう?
10年間の返済で金利1.5%とすると、600万円の融資を受けると年額の金利負担は9万円。
10年間で90万円。
(これは単純計算なので、実際の金利負担は10年間で465,000円ほどです。)
ここでは46.5万円で計算したとしてもまだ10年間で500万円近いキャッシュフローが残ります。
でも毎月で考えてみると毎月の支払額は53,800円。
固定資産税を支払うとキャッシュフローは残りません。
さらに空室が発生した場合はその時点でキャッシュを吐き出すことになります。
あまり現実的ではありませんよね。
10年後返済が終わってから始めてキャッシュフローが発生することになります。
今の時点で生活に余裕がある方なら別ですが、余裕を持たすための投資であるならオススメはできません。
なので、現金投資なのです。
戸建投資の場合は空室になると、100が0になります。
10室のアパートを所有している場合なら、1室空いても100が90になるだけです。
他の部屋の家賃で支払いは賄えます。
なので融資利用が活かせるのですが、戸建投資の場合は2件目、3件目からでないと融資利用のメリットが出てきません。
戸建投資はリターンも大きく、うまく利用すれば高利回りになります。
安い物件価格+リフォームが戸建投資の基本です。
なのでリフォーム業者さん選びも大切になってきます。
リフォーム業者さんの言うがまにリフォームしていたらいくらお金があっても足りません。
でも安くても残念な内装工事をしてしまうとこれまた大変です。
肝心の賃借人が付かなければ意味がありません。
不動産業者さんの適切なアドバイス、良心的かつ親身になってもらえるリフォーム業者、この2つが揃って始めて戸建投資は成功につながります。
不動産投資はしてみたいけど、融資はちょっと・・
という方、戸建投資を始めてみませんか?
ライフコンサルティングでは、こうした戸建投資物件も扱っております。
またのご相談お待ちしております。