『卵が先かニワトリが先か』
みたいな話ですが、
私たちのような不動産仲介の仕事をしていて最初に当たる壁です。
『お客様をまず集めるべき』なのか
『物件をまず集めるべき』なのか。

開業しました。
いきなりお客様がわんさか集まります。
紹介できる物件も山ほどあります。
こんな訳にはいきません。

私たちの業界の人だけが見れる情報に『レインズ』というものがあります。
ここには仲介可能な物件がたくさん載っているわけですが、これだけで商売できるほど今の世の中は甘くありません。

一般賃貸や居住用住居ならともかく、収益物件などは情報が一般公開される前に紹介していかないと間に合いません。
いい物件はあっという間に売れてしまいますし売れにくい物件が流通に流れていきます。
まぁ中には稀にその中にもいい物件も混じっていたりしますが、それを掘り起こすためには目を皿のようにしてチェックしておくことが必要です。

せっかくいい物件を見つけても、自分で買うわけじゃなければお客様を探さなくてはいけません。
お客様がいなければいい物件情報を持っていても宝の持ち腐れです。

ブローカーと呼ばれているおじさんたちはそうした物件を持ち歩きますが、自分の直接のお客様は持っていません。
よく不動産は千三つと言われますが、千件物件資料集めて成約するのは三件と言うところから来ていますが、いくらいい物件資料を持っていてもお客様がいなければ意味がありません。
といっても今の時代いい物件があればすぐ売れちゃうのですよね。

ブローカーのおじさんたちがそんな物件を持ってきても成約に結びつかないのは、スピードが追いつかないからです。
『あっ。この物件いいですね。レントロールもらってください。』
と言っても、
『ごめん。あれ、もう買付入ってるねんて。』
とか
『ごめん。契約終わってた・・』
こんな話も少なくはありません。

いい物件資料を集めることと同時にいいお客様も集める。
これが出来れば鬼に金棒ですよね。

でも。
お客様がいないところにはいい物件情報が回ってきません。
またいい物件情報を持っていない会社にはお客様が回ってきません。

どうすればいいのでしょうね?

うちでは最近ようやく物件情報が多く集まるようになってきました。
それはみなさまのような属性のいいお客様が多数私にお声がけいただいているお陰で、物件資料を持ってきてくれる売主さん、仲介業者さんが増えたからです。

また取引の件数が増えると、金融機関との付き合いも増えます。
相談しやすい環境もできるので、お客様に少しでも有利な条件で下交渉することも可能になってきます。

こうして段々と仕事がやりやすくなってくるわけです。

でも当然最初からこんな流れが作れることはありません。
これから不動産業を新しく始めようとするなら、まず自分が買主になって物件情報を集めるのが一番手っ取り早い情報収集ではないでしょうか。

不動産会社は自分に仲介手数料を落としてくれるお客様にまずお声がけします。 
その次に決めてくれそうな業者に、お客様を持ってる業者に声がけします。
つまり自分が買主になることにより一番の風上の情報が手に入るわけです。
ただその情報は仲介させてもらえない情報も含まれていますからねー。

売主直の物件情報をたくさん集めることができればそれが一番いいのですが、容易いことではないですよね。
私も区分所有のマンション全世帯分の謄本をあげてDMを送ったりもしましたし、賃貸マンションの謄本をあげてDMを送ったりもしました。
でもこれこそ千三つでした。
ほとんどの人は売却のことなどこれっぽっちも考えていない所有者ですから、なかなか当たりません。
ネットで謄本を取得しても一件324円。DMで92円。
その他封筒代、返信用封筒代、DMに折り込むチラシ代など考えると一件500円ほど経費がかかります。

1,000件送れば50万円です。
3本契約が取れれば十分元は取れるのですが、1回目のDM、2回目のDMではなかなか反響も入りません。

ここに労力、費用をかけるのか、それとも一見のお客様を多く呼び込むのがいいのかとても悩んでいたことを思い出します。

いずれにせよ不動産会社にとって、自社の方向性は決める必要があります。
この会社はどういった会社なのか?
何に強い会社なのか?
ここを明確にしていかないと集客には繋がりません。
私の友人の会社では
『居住用マイホームを中心としてローンに強い会社』
『競売に特化した会社』
『戸建投資にこだわった会社』
『老人福祉に特化した会社』
など自分の会社の特性を活かした戦略で活躍している人たちがたくさんいます。
逆にオールマイティやワンストップを謳って、何もかも中途半端な会社さんもたくさんあります。
相談したり、訪問したりするお客様の立場からすれば、何らかに特化している会社の方が分かりやすい指標になっていたりします。

そりゃこれだけ街中に多くの不動産会社さんが存在していれば、自分の悩みごとを相談する会社、自分に適した会社を探すことさえ一苦労します。

そういう意味では何らかに特化するというのは一つの大きな戦略です。
地域に根ざすというのも同様です。
この駅、このエリアの不動産に関してはどこの会社にも負けない。
これも分かりやすい指標です。

賃貸も売買もやっています。
エリアはどこでもOKです。
あっ。収益物件も取り扱っています。

こういう会社さんって何もかも中途半端になってしまう可能性は大ですよね。

でも私はあえてその道を選択しています。
なぜって??

それは賃貸を探しているお客様にも新居を購入したいというお客様にも、収益物件を持って老後の生活資金を作りたいというお客様にも私にお声がけしてもらいたいからです。

欲張りなんです。(笑)
お金のことじゃなくて、気持ちが。

不動産に関わることで、私以外の人に相談されることにとてもジェラシーを感じてしまいます。

なので、どんなお話でも引き受けるようにしています。
あっ。
もちろんお声がけいただければ、賃貸の部屋探しの案内にも行っています。
私の知り合いは先日名古屋まで賃貸の案内に行ってきたらしいのですが、さすがにそれはちょっと・・

できることとできないことは予めお話するようにしていますので、気を悪くしてしまったらごめんなさい。

でも私とみなさまが知り合ったのは何かのご縁ですので、ぜひご遠慮なくご相談くださいね。

たくさんのお客様のいろいろなオーダーにお応えできるように日々勉強しています。
相続のこと然り、民泊のこと然り。
先日防火管理者の講習に行ってきました。
民泊をするためにですが。
みっちり2日間勉強すると、今まで知らなかったことがこんなにあるんだと実感します。

民泊申請をするのに、消防法何とかならないのかと思っていた自分が消え去ります。
消防署の方は国民の命を守るためにいろいろ活動しているのですものね。
民泊をビジネスとして行うなら。
賃貸住宅を所有して家賃を受け取るなら。
住民やゲストを守るためにこのくらいのことはしておきなさいよ。
こういうことを言われても
『ごもっとも。』
という気持ちになります。

知識を身につけると自分の視野が広がります。
自分の考え方も広がります。

知識を持っていない外野の立場からなら何でも言えちゃいます。

でもどうせなら知識を持った上で外野からではなく責任を持った立場でいろいろ発言していきたいですね。

そういうことでこれからもどんどん新しいことにチャレンジしつつ、知識を吸収していきたいと思います。