コンパクトシティって言葉を聞いたことがありますか?

全国各地の自治体で計画が立案されている、都市機能を部分的に集約していくというものです。

人口がこれからどんどん減少していき、古くなった水道管、ガス管などのインフラ整備もどんどん進めていかなければいけない時期に差し掛かってきています。
先日の大阪北部地震でも水道管が破裂した映像は皆様の脳裏にも焼き付いているのではないでしょうか?

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大阪の水道管の耐震化率は39.7%(2016年度末)、全国平均でも38.7%となっています。
つまりどの自治体も半数以上の水道管が交換時期を過ぎており、大規模地震が起きれば水道が使えない、ガスが使えない、こんな状況に陥ってしまうのです。

日本全国で空き家問題も深刻になってきています。
近い将来3件に1件は空き家という時代がやってくるかもしれません。
それなのに全ての地域の水道管、ガス管の整備を自治体の負担で行うことは非効率であり、非現実的です。

そうなるとどうなるか?
都市機能を集約し、その地域のみのインフラは整備しよう。
その他の地域は住宅建築も抑制し人の住まないエリアにしよう。
こう考えることが最も効率的でかつ現実的な施策となっていきます。
生活推進エリアには交通はもちろん、病院も学校も買物施設もすべて整い、それ以外のエリアには学校も病院もなくなる。
水道管やガス管の整備も自己負担でおこなってくださいね。
こうなると誰もそのエリアには住まなくなりますし、住めなくなります。

逆に集約された地域には、全ての生活機能が整っているわけですから、みんながそこに集まる。
昔のドーナツ化現象の逆で、言わばあんぱん、たい焼きみたいなものでしょうか。

理にはかなっていますし、逆にそうしないと地方部では生き残っていけなくなるかもしれません。

でも一番の問題は、そのエリア外の不動産をどうやって処理していくのか?
コンパクトシティが実現すると、コンパクトシティ内の地価、不動産価格は上昇します。
でも反対にそれ以外の地域の不動産価格は暴落しますし、まず買い手が付かなくなります。
コンパクトシティ内に移動したいけどできない。
等価交換?
換地?
全ての不動産を行政が買い取り新たに自治区を設立などできませんから、既存の繁華街、住宅地を中心に実施することになります。

今ある自治体が出しているコンパクトシティの立案でもほぼそうなっています。
でも、そうなると所有者不明土地や、相続人未確定の土地の処分をどうするのという話にもなりますし、商業施設誘致、病院誘致のためには広大な土地の取得が必要になります。

一から都市開発を行った方が早いのではとさえ思ってしまいます。

これが実現への大きなハードルにはなりそうですが。

所有者不明土地は公示で、いついつまでに名乗り出てこなければこの土地は自治体が収用します。
相続人未確定の土地は、いついつまでに相続登記が終わらない場合はこの土地は自治体が収用します。
買い取り希望者には自治体が買い取りします。
逆に移転希望者には、入札を行い公売という形で販売します。
みたいなことでも始めないとなかなか進まないですね。

でもそんな買い取る予算が自治体にはないですから、どうやって実現するのでしょう?
とは言っても、残りの60%の水道管、ガス管を新しくやり直すというのも予算的に厳しいですよね。
この辺りの問題も当然人が多く集まっている地域から優先されて行われていくでしょうし、予算のない自治体はその工事予算さえ捻出できないかもしれません。

どうやって人を集めるか、魅力的なコンパクトシティを提案するか、PR合戦が始まるのかもしれませんね。

子育て世帯に特化した街、老人が住みやすい街、外国人労働者が集まる街、若者が快適に格安で住める街、全てを共存共栄させるには無理があるかもしれません。

そのうち全国各地にチャイナタウンやベトナムタウンなんかも生まれるのかも。

北海道の一部分が外国人に買い占められているという話もありましたし、強ちこの見解は間違いではないかもしれませんね。

そんなことを考えていると、どの都市に不動産を所有していればいいか、どの立地なら地価がらこれからも上昇していく場所なのかが自ずと分かってくるかもしれません。

そんな宝クジを買うが如くの投資を楽しめるのも不動産投資の魅力の一つです。

不動産投資っていろいろな楽しみ方があります。
神戸の震災の後、神戸の地価は一気に下落しました。
でもあれから23年、地価は元通りに戻っています。

やはりピンチはチャンスなのかもしれませんね。
今回の大阪の地震で、中国人がもし大阪の不動産を投げ売るようなことがあれば、そこには大きなチャンスが潜んでいるかも。

まだ残念ながら?
幸運なことながら、大阪の不動産価格は何の影響も受けてはいません。
余震も収まってきていますし、このまま何事も起こらなければそんなこともあり得ない状況ではありますが。

先週末仕事で高槻市まで行っていました。
一部の地域では大きな被害が出たようですが、1週間弱経った今では平穏な生活が取り戻されています。

不動産は天災に弱い。
天災を回避する方法はありません。
火災保険でカバーするくらいしか方法はありません。

今回の地震で、また地震保険の加入率が増えるかもしれませんね。
あなたがご加入の損害保険は大丈夫ですか?
この機会に見直してくださいね。
当社では損害保険の代理店も行なっていますので、ご加入がまだな方は是非この機会にご相談ください。

で、話は戻りますがコンパクトシティの問題です。
机上の空論では、あたかもそれが効率よく全ての理想形が集約されているような気もします。
でも日本の土地も建物も全て所有権です。

国のものではなく個人や法人の所有物です。
そして、その不動産には抵当権や根抵当権、賃借権まで様々な権利がくっついています。
それを解除し、都市を集約するということは至難の技です。
抜本的な国策でも考え出さない限りは市町村単位では実施できません。

その国策を考えるのは私の仕事ではありませんが、他人事ではないのですよね。

例えば、イオンの大型モールが出店するという話、新駅が誕生するという話一つで地価は大きく上昇します。

買い物や交通、学校や公共施設、全てが徒歩圏内に存在するコンパクトシティがあれば誰もが住みたくなります。
かたや、駅から遠く公共施設や買い物施設が近隣にない地域なら極力住みたくはありません。
また、ハザードマップで危険な地域、土砂災害の危険がある地域も出来る限り住みたくはありません。
災害を防ぐという観点からも、都市機能を集約させた方が防ぎやすいに決まっています。

でも、何で人は都心部から離れた不便な地域でも住もうとするのか?
理由は明らかです。
自分の経済状況を考えたときに、このエリアでしか買えない。
ここまで離れないと予算的に不可能だ。
経済的理由が存在します。

コンパクトシティに入れない人たちも存在することになります。
ある意味これはノアの箱舟??

まぁでも、都市を再構築するためには未曾有の大災害でも起こらない限り不可能ですよね。

そんなことは望んではいないし、そうなったときにはそんなこと考える余裕は私にはないでしょうし。。。

いずれにせよ、郊外の不動産に未来はないのではと思っています。
今自宅用の土地をせっせせっせと探しているのですが、
バーベキューのできる庭がある家に住もう。
車は並列で二台分は確保したい。
そんなこと考えているとどうしても郊外の立地になってしまいます。

うーん。。。

自分が言ってることと現実のギャップに悩まされて‥

バーベキューはバーベキューのできる公園で我慢しようかな。
車は並列じゃなくて縦列で我慢しようかな。

二階建じゃなくて三階建で我慢しようかな。

人生我慢は必要ですね。。。