アメリカのベンチャー企業Opendoorという会社が、ネットで不動産を購入できる仕組みを作り、すでに120億円近い投資が集まっているそうです。
売り手がこのOpendoorに物件を登録し、買い手がつくのを待つという、CtoCの流通網です。
大きな買い物ですからなかなかネット上だけでは無理でしょうという意見も聞こえてきそうですが、一つ納得のいく手法が隠されているのです。
住宅購入後30日以内なら返品が可能ということだそうです。
その返品の理由は設備や近隣とのトラブルなど、どんな理由でもいいそうです。
気に入らなければ購入をキャンセルできるということになっています。
この返品、キャンセルという発想は日本にはなかなかないですよね。
話は変わりますが、IKEAの商品って生鮮食品とか寝具とかを除いて365日返品可能って知っていました?
最近個人的によくIKEAに行くのですが、重複して買ってしまった商品や部屋のイメージに合わなくて返品し交換してくることがあるのですが、先日は袋から取り出して中身だけになったベッドシーツを持ち込んでも快く返金してくれました。
もちろん使用感のあるものはダメかもしれませんが(笑)
これも外国の企業ならではの考え方ではないでしょうか?
日本の中古不動産市場では瑕疵担保なしという取引が今でも多く行われています。
不動産業者が売主の場合はこの瑕疵担保責任は最低2年以上負わないといけません。
また新築住宅の場合は主要な構造部分については10年の瑕疵担保を負わなければなりません。
この年数以下の契約を締結した場合はいくら年数が経過しても瑕疵担保の責任から逃れることができません。
なので業者売主物件にはそのリスクも踏まえ、十分な利益がある必要が生じます。
ただ業者以外が売主の場合はそうではないのです。
でも買っちゃったはいいが、止めときゃよかったってことになることも少なくはありません。
でもこうした返品制度があれば安心して購入することができますよね。
日本の不動産の場合には、不動産購入時に物件価格の5%から8%ほどの諸費用が発生します。
この中に不動産業者の仲介手数料、よく言う3%+6万円で計算されている不動産仲介の手数料です。
これが省けて返品できれば、失敗しても不動産価格の2%から3%で済むということですよね。
中古不動産流通を活性化するためには不動産業者を除いた取引、CtoCの流通網は必須かもしれません。
でもそうなれば私は不動産業者なわけですから何をしましょうか(笑)
両手数料取引を禁止にしようという流れが一時期ありましたがそれも風化し、賃貸の手数料も貸主・借主双方で家賃の1ヶ月分が上限という宅建業法も有名無実化しています。
今や税理士さん、弁護士さんでも毎月の顧問料をディスカウントしてくれる時代です。
不動産業者だけ当たり前のように『仲介手数料は3%+6万円、それに消費税がかかります』というのが通用していることが不思議です。
私は3,000万、5,000万の取引の時に聞かれたら即答で『大丈夫です。おまけしますよ。』と答えちゃっています。
『その代わりお客様の希望価格で売却できたときは満額の手数料くださいね。』と付け加えてはいますが。
もちろん本当にいい物件ご紹介できたなとか、いい価格で売却できたなと思うときはきっちりと手数料をいただいていますが、その辺りはアバウトでいいんじゃないかと常日頃思ってしまっています。
これが大きな組織でやっている人間と違い、少人数の会社の最大の強みかもしれません。
少々あまのじゃくのところがありますので、まけてまけてと言われるとまけたくなくなりますし、逆に一切値切ってこないお客様には勝手にこちらで値切ってきたり、手数料をおまけしたりしています。
私の性格をよくご理解いただき、うまく活用してくださいね(笑)
今、日本の不動産業界に黒船が到来しています。
中国系の会社、台湾系の会社が多く設立されていますし、大家さん自らが宅建業者登録をするケースも見られるようになりました。
今までのように閉鎖的な業界ではなく、もっとオープンな業界に進化する時期が到来してきているかもしれませんね。
どんどん進化しましょ。
どんどん敷居を低くしましょ。
新しく勢いのある若い人たちが活躍できる業界にしましょ。
その中で生き残っていける知恵と知識を身につけましょう。
最近お客様とお話ししていると、『こんなこと教えてもらったの初めてです。』と言われることがよくあります。
普通の不動産屋さんはどんなお話をしているのですか?
せっかく身につけた知識を後生大事に隠していても仕方ないですよ。
でも切り札的に抱えちゃうのですよね。
不動産業者の方とお話ししているといつも思います。
腹の探り合いというか、情報を切り売りするというか。
家電量販店でそういう営業していると他店にお客様は流れてしまいますよ。
流さないようにきついクロージングをするのでしょうが、そのやり方ももはや時代錯誤ですよね。
不動産広告にしてもそうですが、ネガティヴ情報は一切公開されていません。
バルコニーの目の前に建物が建っているから日当たりはありませんという広告は見たことがありません。
ヤフーオークションでも悪いレビューが付かないようにきっちり書いてあるのにね。
広告主以外の第三者が日当たり、立地、間取りetc、などの評価を付けるようなサイトが欲しいですね。
同じ物件でも掲載会社によって金額が違ったり、駅からの距離が変わったりということがあったりしますがこういうことをなくしていかなければダメですよね。
今流行りの第三者の厳しい目で(笑)
賃貸なら継続して募集があるわけなので物件のレビューというものもあってもいいかもしれませんね。
まぁ私がこんな事を言ったところで何かが変わるわけではないのですが。
いずれにせよ時代は変化します。
この変化が進化である事を期待しましょう。