家を買いたいと思ったときに何から始めますか?
家計の見直し?
ライフプランの作成?
ファイナルシャルプランナーに依頼すれば、まずここから始めるのではないでしょうか?
でも、多くの方というか、ほとんどの方は物件探しから始めます。
それは何故か?
不動産屋さんに相談すれば、そういったことも含め相談に乗ってくれるのではと思っているからです。
でも実際に聞いてくるのは、
①年齢
②年収
③勤続年数
④勤務先名
⑤貯蓄額
⑥今の家賃
⑦車やカードなどの借入額
あとついでに家族構成
上の項目を聞いてくるのは何でか分かりますか?
住宅ローンをいくらまで借りれるか確認するためです。
そして、いくらまでの物件なら購入可能かを知るためです。
あなたの人生設計のお手伝いのためではなく、不動産を売るために知りたいだけです。
今支払っている家賃の額が分かれば、その程度の支払額までなら許容範囲だろ?
貯金額を確認したいのも、貯金300万円ある人なら車のローンがあったとしても返済可能だな。
少なくとも変な消費者金融の借入やカードローンの借入なんかもないだろうな。
こうした営業マンの自分本位な考えからです。
住宅ローンを組む際に、カードローンやクレジットカードのリボルビング払いというのはとても邪魔な要素になります。
住宅ローンの借入額(貸出額)を算出する際には、年収から返済比率を計算し毎月いくらまでなら安全に支払い(回収可能)かを計算します。
その際に、毎月◯◯万円までなら大丈夫、そこから計算して◯千万円までなら貸し出せますとなるのですが、車のローンやカードローンなどがあれば毎月支払いできると判断される額から減額されます。
その結果、借入総額も減額されることになります。
車を購入する際に現金で一括購入される方ばかりではありませんから、将来的な事を考えると本来ならその支払額分程度は余裕を持たすべきなのかもしれません。
逆にいうと、住宅ローンでフルローン組む方が車だけ現金購入する方が本来なら不自然なことだと思うのですが。。。
でも不動産の営業マンからすると、車のローンがなければあと300万円、500万円住宅ローンを上乗せできるとしたら大問題ですよね?
中古住宅でと検討していたお客様に新築戸建の提案ができるほどの差になりますし。
どうやったらお客様が無理せずローンを支払っていけるか、将来のお子さんの進学、結婚などの際に問題ない支払額なのか、そこをまず考えるべきなのに。
なので、不動産屋さんを頼りにしない。
自分で自分の身は守る。
そういう意識で家探しに挑んでください。
もしくは、ライフプランニングしてくれる会社さんに最初にご相談に行くかの二択です。
本来なら頭金として100万円の自己資金も用意できない人が家を買ってはいけないと思います。
毎月3万円貯金していても年間36万円、3年間で108万円は貯蓄ができます。
それすらできない人が家を買っても破綻することが目に見えています。
*こんなこと言ってるから次々と契約を取れないのですけど。。。
貯金額=家計の余裕です。
『ボーナスの分はこれから貯めようと思っている。』
そう思うなら、まず年2回のボーナスを全て貯金に回して、そこから家探しを始めましょう。
今現在賃貸暮らしをしていて毎月決まった額を貯蓄できていない方、この方は少なくとも家賃と同じ支払額の住宅ローンを組んではいけません。
今7万円の家賃を支払っている。
住宅を購入し、ローンを組んだら4万円で収まる。
これならフルローンで購入してもいいかもしれないですね。
結婚したばかりで今は共稼ぎのご夫婦。
2人合わせて家賃は15万円払っていた。
2人合わせて年収は700万円ある。
なので、
『4千万くらいのマンション買おうかなと思ってます。』
『独身の時の貯金も少しならあるし』
なんだか要件が整っているような気もしますよね?
でも、ちょっと待って。
『お子さまはつくらない予定ですか?』
私の場合、少し踏み込んでお話を伺うようにしています。
事情があって作らない場合もありますし、
『はい。つくる予定はないです。』
と言われれば、了解しましたとしか答えませんけど。
何でこんなことを聞くかと言うと、夫婦共働きの場合お子さまが誕生すると、生まれるまでの期間、そしてお子さんが乳児の時期には今まで同様の収入が見込めない可能性が高いからです。
当然その間今までのように余裕を持って支払うことは難しくなるかもしれません。
勤めている会社によっては産休中、育休中も従前と同じ水準の給与を支給してもらえるかもしれません。
それでも、共働きするとなると保育園、幼稚園に預かってもらう費用、細かい話をするとミルク代、オムツ代の出費もかさみます。
子育てにはお金がかかる。
これが今の日本における少子化の最大の要因かもしれませんよね。
この場合だと、旦那さん(今の世の中だと、奥さんが働きに出て旦那さんが育児をするケースもあるかも)だけの収入で返済できる額で検討するのが無難だと思っています。
基本的には。
こどもだけでなく、旦那さんが病気やケガで働けなくなった。
親の介護で余分な出費がかかるようになった。
様々なケースが想定できます。
『そんなことを言ってたら賃貸でも家賃払えないよ。』
たしかにそうなんですよね。
未来はある程度の確率で予測できたとしても、
約束されていることではありません。
出世街道に乗っかって、年収が倍になることもありますし、親の相続でどかーんとしたお金が舞い込んでくることもあるかもしれませんしね。
でも、その逆があるってことも知っておく必要があります。
ジャンボ宝クジが当たる確率と乗っている飛行機が落ちる確率どっちが高いと思いますか?
宝クジを買う度に
『おれ、今度宝クジ当たりそうな気がするねん。』
よく言う人いますよね?
でも、飛行機に乗るたびに
『おれ、今回この飛行機落ちる気がするねん。』
こんなこと言う人いませんよね?
思いたくないのか、思っても口に出さないだけなのか分かりませんけど。
この2つ、実は飛行機が落ちる確率のほうが高いそうです。
飛行機が落ちる確率は1/20万、ジャンボ宝クジは1/1000万、最近のジャンボは超高額になったのでまだここから確率は下がります。
人って、不幸なことはあまり考えないようにするんですかね?
なので、5年や10年で住宅ローンを完済する人より5年、10年で破綻する人の方が圧倒的に多いことを忘れてしまっていますよね?
『不幸なことばかり考えていたら一つも前に進めないよ。』
はい。
その通りです。
なので、大事なことは家は一生涯住むために購入するものではないという認識を持つこと。
売ることなんか考えていない。
ほとんど今、日本でマイホーム探しをされている人が思っていることです。
住宅購入=消費
と割り切って考えています。
これって不動産業者、建築会社さんの思うツボです。
新築物件は買った値段がピークで、そこからは資産価値がどんどん低下していくもの。
そう思ってはいませんか?
あながち間違えているわけではありませんが、資産価値を減らさない努力はしていますか?
今自宅がいくらなら売却できるか知っていますか?
資産価値を高める努力、建物を綺麗な状態で維持する努力、そして一番いいタイミングで売却しようとする努力をしていないから、資産価値は低下するのです。
自宅も運用の仕方で資産に変わります。
逆に言うと、使い方、維持の仕方でただの負債にも変わります。
まず入口のところで失敗しないこと。
そして、自分にとって都合のいいタイミングで高値で売却するために、売りたくないタイミングで売らなきゃならない状況を作らないことが大切です。
無理のあるローンの組み方、返済方法を決して組まない、そういう生活設計がとても重要です。
購入物件の選択ももちろん重要です。
ハザードマップなどで危険な地域に指定されている物件。
何十年かに一度の雨を想定してという前提は、もういつ起こってもおかしくない想定です。
再建築不可の物件。
築年数が古くなるにつれ、土地としての価値に限りなく近付きます。
その時に再建築が不可能な物件となれば、資産価値は大きく低下します。
金利は史上最低金利で推移しています。
今後20年、30年というサイクルで考えた時に、このまま推移するとは想定し難い状況です。
金利が1%上昇した時、2%上昇した時の支払額はいくらになるかぐらいは考えておきましょう。
列記しただけで考えることは山積みですよね?
こうした予備知識くらいは身につけてから、住宅購入に踏み切りましょう。
住宅購入前の勉強会みたいなのが、あればそういうのに参加するのが一番いいのですが、なかなかないですよね。
銀行でやっている相談会も、いろいろな金融機関で開催されているのですが案件を持ち寄っての相談会だったり、借替えのための客集めだったりするので。
ファイナンシャルプランナーが開催してる住宅ローンセミナーなども、自らのコンサル契約に結びつけるためのセミナーだったりしますしね。
いったい誰を信じればいいの?
そういう気持ちになるでしょ?
利害関係の絡んでいる人に相談しても、結局は自分の利益に結びつく話をしてきます。
そりゃそうですよね。
会社って営利目的ですから。
なので、RE/MAX L-styleで、購入前のお客様に向けての住宅ローンセミナーなども開催したいなと思っています。
お客様が自ら知識を身につけ、自らの意思で物件選択、金融商品を選択できる。
不動産屋さんにとっては、やりにくいお客様をどんどん育てていきたいと思っています。
購入するのはうちでなくていいと思っています。
『でも、将来売却するときはうちでお願いしますね。』
『もちろん、そうします』
そう言ってくれる気のいいお客様には、いろいろな知識を伝授したいと思っています。
その足がかりがL-styleClubです。
おかげさまで数名のお客様にご参加申込みをいただきました。
まだ第1期募集人数には達していませんので、お問い合わせお待ちしております。
相談スタッフとしてのエージェントの募集も行なっていきますので、不動産業者さんにお勤めの社員さん、これから不動産業に飛び込もうという方々もご参加ください。
エージェント募集もHP、ブログで近々ご紹介いたします。
ご興味ある方はぜひ。
それではまた。