弱いものを叩き、強いものが上がっていく。

これは世の中の仕組みです。

生物の中にも弱肉強食と言われるように、弱いものが強いものに、また強いものがより強いものの餌となり成り立っています。

現実社会でも同じです。

より弱い立場になれば、食い物にされてしまいます。

animal_jakuniku_kyousyoku


貧困ビジネスが一時期取り沙汰されていましたが、弱者を対象にしたビジネスです。

路上生活者にとっては、それでも屋根のある暮らしを与えられ毎日の食事にありつけるわけですからある意味WinWinだったのかもしれませんが。

賃貸業界でも生活保護受給者を対象にぼろ儲けしている時期がありました。

生活保護の入居者に役所がどんどん決済金(保証金や家賃、仲介手数料等)を支給していた時期があり、その家賃の上限、決済金の上限で賃貸契約が次々と行われていました。

TVニュースで不正受給が取り上げられ、支給の許可が降りにくくなり家賃の上限も今は引き下げられています。

貧困バブルの時期ですよね。

行政や法律のスキを突くのは商売人として間違っているとは思いませんが、結局自分たちが納めている税金から支出されているわけですから、長い目で見ると自分にそのツケが返ってきます。

昨日も書きましたが因果応報です。

出来上がったスキームに乗っかって儲けるのは簡単です。

難しいのはそのスキーム作りです。

なのでそのスキームを合法的であれ、グレーゾーンであれ作り上げてている会社は立派なものです。

不動産投資の世界でも今儲かるスキームが成り立っており、そこに乗じて儲けている会社さんがあります。

投資用ワンルームの節税スキーム。

相続税対策のアパート建築スキーム。

そして、中古1棟ものマンションの三為スキームです。

投資用ワンルーム、アパート建築は言わずと知れた節税対策という名目で、不動産取得をそそのかします。

そそのかすという言い方は少し悪意がありますかね。。。

まぁそこは置いておいて。。。

投資用ワンルームを購入して、なぜ節税になるのか?

誰でも節税できるのか?

そもそも自営業者の場合、あらゆる節税方法がありますがサラリーマン、給与所得者にはそれがありません。

特定支出控除というものが平成25年から一応認められてはいますが、勤務に必要な資格や新聞図書、交際費に関しては一定額は認めましょうというものなので、個人利用、スキルアップのための学習費などは規定外となっています。

※特定支出控除のリンクをここに貼っておきました。気になる方はどうぞ

なので高額所得者にとっては、不動産所得の損益通算を利用して節税したいという気持ちは理解できます。

高額所得者ではない私も毎年所得税、住民税、社会保険料などの負担に悩み、もう少し何とかならないものか試行錯誤しています。

この分の負担がなければ毎年海外旅行に家族で出かけれるのに。。。

ついついこんな欲どうしい気持ちになってしまいますが、この負担をみんながしなければ日本の行政、福祉、すべて機能しません。

なので、ある程度は仕方ないことなのですが、生活保護の不正受給をしている人、自営業者でいい車に乗りながら納税金額を最小限に抑えている人などを見るとやってられない気持ちになるのも分かります。

そこでそんな話に乗ってしまうのですよね。

給与所得と損益通算できる不動産所得、ここを赤字にすることにより所得税、住民税の支払いを抑える、還付を受けることができます。

でも、そもそも不動産を購入して赤字??

ここに疑問を持つ方がほとんだだと思います。

赤字なら買わなければいいじゃないの?

これが普通の考え方です。

もちろん毎月の収入自体が赤字で、その赤字分しか節税できないのであれば全くもって意味はないのですが、さすがにそうではなく、毎月のキャッシュフローは赤字にはならない程度で家賃保証等をつけ販売しています。

つまり、毎年不動産収入は得れないが所得税・住民税の節税になる。

節税になるのは建物の減価償却費を毎年の不動産所得が控除されるからです。

つまり建物価格の割合が高い物件ほど節税効果は高くなる。

したがって、土地の保有割合が低い20平米そこそこの単身用分譲マンションほど節税効果が高く売れていくわけです。

今でも都心部ではどんどんそういった単身用、投資用分譲マンションが建築されています。

たしかに、毎年の所得税・住民税は軽減されます。

ただ、その分不動産価値が下がっていることに気付かない人が多いことに驚かされます。

不動産は土地・建物に分かれます。

減価償却できるのは建物部分だけです。

土地は減価償却できません。

建物って未来永劫不滅のものではありません。

なので減価償却できるわけです。

つまり、年々建物の価値は下がっていっているということになります。

その値下がり分と、毎年の税金還付の分と計算に入れて初めて収支を計算できることになります。

例えば新車を購入して、初めての車検時(3年後)に売却するとして値上がりすることってありますか?

フェラーリとかプレミアの付いた車ならあり得る話ですが、どんどん性能が良くなる車を生産し続けている状況の中で量産型のファミリーカーを購入して値上がりすることは考えにくいですよね。

超駅前物件、二度と売りに出ないであろうプレミアな土地に建つマンション、こんな話ならまた話は別です。

でも先ほども言ったように投資型単身用分譲マンションは次々に建築されています。

量産型のファミリーカーと同じです。

3年後、5年後に価格の下落があるということは当然の話です。

なので年間50万、60万節税できたところで、5年後に400万、500万値落ちしていることもあるわけです。

そんな状況が今まさに起こっています。

大阪市の競売物件一覧を見ていると毎回その投資用単身物件が登場します。

所得の高い方向けに販売しているにも関わらずそんな状況が発生しています。

残債で売却することができないため、売り抜くことができない状況なのですよね。

将来の売却損を毎年の所得税・住民税の還付してもらっているだけにすぎません。

クレジットカードのリボ払いと同じです。

ツケは必ず後からやってきます。

相続税対策のアパート建築も然り。

相続税の納税額を減らすため、不動産に資産替えしたり多額の借金をこしらえたりします。

でも、そのアパートの建築資金は本当に適正価格でしょうか?

また、購入物件の資産価値は本当に間違っていないでしょうか?

目先の大きな減税額を提示されることにより、本来の目的である不動産購入の目利きがおろそかになっていませんか?

営業テクニックで目先を変える手法があります。

例えば、物件購入で住宅を内覧したときに、まず普通は購入するかどうかを悩みます。

そこで営業マンは家具の配置、インテリアの配置などどんな部屋にするかの話で盛り上げます。

お客さんは

『そうですねー。できればかわいい部屋にしたいのですよね。』

『じゃあ、ここにTVを置いて2人掛けのソファーとかここに置いて、あとカーテンの色とかは決まっていますか?』

『うーん、そうですね。白を基調にして、あとは・・・』

家具のセッティング、どんなカーテン、家具にしようか、悩みの争点がずれます。

お客さんの中ではどんどん妄想が膨らんでいき、この物件を購入するとして、家具はどうしようか?

購入することの次の話でどんどん盛り上がっていきます。

相続税対策ってまさにこんな感じです。

節税対策としてアパート建築するのは当たり前として、次はどんな間取りの物件を建てるのか、部屋数はいくつにするのか、そこから始まっている場合が多いのではないでしょうか?

どこで建築するという話ではなく、この建築会社で建築するとしてどんなプランにするか・・・

この時点でハウスメーカーの思うつぼですよね・・・

高額所得のサラリーマン、相続税を納税しないといけないくらい資産家の地主さん、本来なら社会の強者です。

でも、不動産知識がないため、また相談する相手がいないために弱者になっています。

大手ハウスメーカーだから安心、上場企業だから安心、そうなんでしょうか??

大手ハウスメーカーだから、上場企業だから金融機関と提携し、高額なローン、低金利でのローンは利用可能です。

その分、きっちりと価格に反映されていることに気付いていますでしょうか?

5千万円のローン、1%の金利30年融資の支払額は毎月16万円です。

4千万円のローン、1.5%の金利25年融資なら毎月の支払額は16万円です。

あなたならどっちを選びますか???



※三為スキームについては、また後日説明しますね。ネタに困っているので持ち越します。(笑)