不動産の売り時っていつ?


今でしょ

そんなこと言うとただの営業トークになっちゃうので言いませんよー。

じゃあどんな時が売り時で、どんな時が売り時ではないのか、これについて今日は書いていきたいと思います。


まず単純に、相場が上がっている時が売り時で下がってる時は売り時ではない、これは誰でも分かりますよね?

ちなみに今は相場が上がっているタイミングです。
その上で、どんな人が今のタイミングで売るべきなのか、またどんな人は売るべきではないのかというお話です。

まず、ケース①
住み替えの人。
今住んでいる住宅を売却して、次の住宅を同時に買い換えようとしている方です。

この人は今の住宅が高く売れても、次購入する住宅価格が上がってしまえば結局同じです。

ってことは、今が売り時ではない??

普通に考えたらそうですよね。

ただ、多くの人は自宅を住宅ローンを組んで購入します。

売却した金額がローンの残債に届かなければ、次購入する物件に上乗せしてローンを組むことになります。

でもこれって普通に考えて少しハードル高いですよね。

次の物件価格よりもローン金額が大きくなります。
その分次のローンの審査は厳しく、通りにくくなります。

でも、相場が上昇しているタイミングでは売却額>住宅ローンの残債額となる可能性がありますので、次の購入物件のローンが組みやすくなります。

住宅ローンで、しかもフルローンに近い形で購入している人で、住み替えたいという方にはこういった機会を活かした方がいいかもしれません。
不動産価格が上昇しているときには、こういった利点もあるのですよね。

ケース②
ローンの支払いを度々延滞してしまって今後の支払いも乗り切れるか不安な方。

ケース③
何年か前に売却しようと査定してもらったが、希望価格に届かず、またはローンの残債額に届かず断念した方。

②③、こうした人は今売却すべき人です。
少しでも高く売却できるタイミングで売り抜き、動産のままではない健全な状態に戻すべきです。

ローンの返済が始まって10年ほど経って繰上げ返済を一回もしていない、できる機会がなかったという人の場合、ほぼギリギリの生活を強いられていたということになりますから、その状態をいつまでも続けていけるのかという疑問も出ます。

その生活から脱却できるチャンスがあるなら乗っかるべきかもしれませんね。

ケース④
老夫婦でこどもと一緒に生活していたが、こどもたちも独立して夫婦二人の世帯になってしまった。
この機会に自宅を売却して、老後の生活資金に充てたい。

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この場合は微妙です。
たしかに高くで売却できる時期に換金し少しでもゆとりのある老後生活を送りたい。

気持ちは分かります。
でも問題はその後の住居費です。

売却後の残った資金で格安の住宅を取得し、それでも老後資金が残るなら大正解かもしれません。
でも、賃貸住宅に移り住み家賃を支払い続けるとしたら、いつまで家賃を払い続けるのという心配が付きまといます。

そのまま住み続ける方がかえって安かったという話にもなりかねませんよね。

ほとんどの方が今の時期に売却した方がいいという結論にはなるのですが、売却するタイミングというのも実は大切です。

不動産を売却してお金が残った。
やったーっていう話だけではないのですよね。

不動産を売却して、利益が出るとその利益に課税されてしまいます。
不動産譲渡所得というものです。

譲渡所得は短期と長期に分かれます。

分かれるポイントは売却した年の1月1日現在で、所有期間が5年を超えているかいないか。

よく勘違いするのですが、購入してから5年は経っているから大丈夫。
5年で長期譲渡になるということを知ってる人は多いのですが、よく勘違いしている方もいます。

1月1日現在で5年を超えてなければ長期譲渡所得にならないのです。
何が変わるか?

税率です。

短期譲渡所得の場合、
売却価格ー売却に要した費用)ー(購入した価格ー購入に要した費用ー減価償却分)
この差額が利益とみなされ
所得税30%、住民税9%が課税されます。
※平成49年までは復興特別所得税が2.1%が加算されるため所得税30.63%、住民税9%となります。

長期譲渡所得の場合は
所得税15%、住民税5%、同じく復興特別所得税2.1%加算で所得税15.315%住民税5%となります。

この税金を払わないといけないから、5年超まで待とう。
こう考える方も多いのではないでしょうか?

ただ、今売って39.63%の税金を払うか、来年売って20.315%の税金を払うか、この試算ですよね。
例えばこの利益が300万円だったとします。
そうなると39.63%なら118.89万円納税することになります。
20.315%なら60.945万円。 
『60万円弱も変わるじゃん』
って思ってしまいがちですが、もし来年売って200万円の利益になってしまうなら、40.63万円の納税になりますが手残りは今年の方が多くなります。
納税額は78.26万円多くなりますが、減価償却費が増える分利益も増えてしまいますし、そもそも売却価格が100万円高くなっています。

つまり、来年より今年の方が100万円以上高く売れそうなら、今年売るべきとなるのです。

最後に不動産譲渡所得の損益通算の話です。

同じ年に別々の不動産を売却し、片方は利益が、片方は損失が出ているという場合です。

あっ、
この話は少し長くなりそうなので、次回のブログで書くことにします。

そちらもまたご覧くださいね。