グランアッシュ谷町エクスコ
※写真は本文とは関係ありません。イメージ写真です。


先日新築の投資用ワンルームはどうかなという記事を書きましたが、今日は中古ならどうなのということで検証してみます。

もちろん場所によって、築年数によって金額は大きく異なります。

築10年、築20年の場合、築30年の場合で考えてみたいと思います。

まず築10年。

平成17年、18年の建築物ということになります。

この当時の投資用ワンルームは20平米を超えているものが多く、ただ25平米を超えるものはそんなに多くはありません。

23平米、25平米台が多い印象を受けます。

本日現在、大阪市中央区、浪速区で登録、募集されている物件が38件ありました。

一番安い部屋で1,130万円、一番高い部屋で1,680万円でした。

1,130万円の部屋で現在68,000円/月額で賃貸中です。

表面利回りは7.22%です。悪くありません。管理費は9,280円、修繕積立金は1,250円、なので月額10,530円が必要経費として出ていきます。

なので、実質の手取りは57,470円。年間で約69万円の収入ということになります。

次に1,680万円のお部屋です。

こちらは月額62,300円で賃貸中でした。年間収入約75万円で表面利回りは4.45%です。

管理費と修繕積立金の合計額は11,190円でした。つまり、月額51,110円が手取りになります。

安い物件の方が手残りが多いのですね。もちろんこれはたまたまでしょうし、賃貸人の契約時期により家賃が違うのも当然です。

中古の物件の場合、チェックしなければいけないのが賃貸借の契約時期です。

たとえば、先ほどのケースで考えた場合毎月68,000円の家賃収入があると思って購入したが、すぐに賃借人が退去してしまった。
新しく部屋を募集したら、60,000円でしか決まらなかったとなれば目論見が狂ってしまいます。

今いくらの賃料が入っているかというより、今貸し出せばいくらの賃料が取れそうかということで判断すべきなのですよね。

同じマンション、同じ価格でも入居時期によって賃料は大きく変わります。

売主さんにしても、今はいい賃料を払ってくれているがこの入居者が退去してしまえば賃料は下がる。

そうなれば売却価格にも影響する。

ならば今売ろう。

こういう思考が働いて当然です。

ここは最低限見極めるところですね。

今回の場合で言うと、1,180万円の方の物件は少し相場より高い賃料かな。

逆に1,680万円の場合は相場通りの賃料かなという感じでした。

ちなみに平米数でいうと、前者が25平米前後、後者が30平米前後です。

前回と同じように融資を受けた場合のキャッシュフローを考えます。

ここでは条件を同じようにするため、物件価格満額の融資を受けた場合で想定します。

投資用ワンルームは鉄筋コンクリート(RC造)か鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)ですから、耐用年数は47年です。
築10年なのでMAXの35年融資が受けれると考えます。

金利は新築に比べて割高にはなります。仮に2.5%で計算してみましょう。

1,180万円融資を受けた場合、毎月の支払額は約42,000円になります。

家賃収入が68,000円でした。そして管理費、修繕積立金の合計額が10,530円です。

ということは、15,470円のキャッシュフローがあることになります。

でも、ここから固定資産税約5万円を差し引くと年間13万円ほどの手残りということです。

今回の場合、諸経費だけ自己資金ということなので100万円ほどの出費で年間13万円のキャッシュフローと考えると悪くはありません。

1,680万円の物件の場合ならどうでしょう?

同じく1,680万円の融資を受けた場合、毎月の支払いは約60,000円です。

家賃収入は62,300円でした。そして管理費、修繕積立金の合計額は11,190円です。ここに毎月の支払いを足すとどうでしょう?

マイナス8,890円。そして固定資産税は毎年別途必要です。

この時点でどうなのでしょうとなりますよね。

中古の投資用ワンルームマンションの場合、最低でも表面利回り7%は確保しないと難しいことが分かるでしょうか?

引き続き減価償却の計算をします。

中古物件の場合、単純に耐用年数-経過年数という計算式ではありません。

1)まず耐用年数(47年)から経過年数(10年)を引きます。=37年

2)次に経過年数(10年)に20%をかけます。=2年

3)最後に1)と2)とを足します。

ここで、端数が出た場合端数は切り捨てとなります。

この場合ですと償却期間は39年ということになります。

1,180万円の場合は、前回は土地と建物の割合を1対9で計算しましたが、今回は土地180万円、建物1,000万円で計算しますね。

単純に1,000万円を39年で割るのではないということを前回勉強しましたね。

今回も建物部分と付属設備部分に便宜的に振り分けます。

今回の場合は新築ではないので、3対7ではなく、2対8で振り分けます。

つまり、800万円が建物本体部分、200万円が付属設備部分とします。

200万円の付属設備、以前は15年で償却しましたが、今回は10年経過しています。

この場合も前記と同様の計算をしますと、(15年-10年)+(10年×20%)=7年となります。

800万円を39年で償却、800万円÷39年=205,128円

200万円÷7年間=285,714円

合計約49万円が減価償却できる計算になります。

家賃収入は年間いくらでした??

家賃収入が6.8万円/月ですから、年間で816,000円。そして管理費、修繕積立金が月額合計10,530円。

年間で126,360円。固定資産税が年間5万円。そして1年間の支払利息が初年度なら約29万円です。

とすると、年間収支は減価償却を入れて約14万円の赤字になります。

前回と同じように、不動産所得は給与所得と損益通算しますので、他の経費も入れ込むことができますので、個人の所得によっては年間20万円も30万円も節税できることになります。
しかも、キャッシュフローを生み出します。
キャッシュフローを生みながら節税できるとなると悪くないのではないでしょうか?

ちなみに今回の場合、あと10年間保有した場合10年後の残債は940万円になります。

築20年で940万

新築投資用ワンルームを購入するよりはリスクが軽減されていることになります。

でも、節税の恩恵をそんなに受けれない人にはメリットは少ないかもしれませんね。

仮に住民税、所得税非課税の人が購入したとした場合、年間のキャッシュフローは約18万円でした。

10年間賃借人が居続けることはないでしょうから、途中で空室のリスクが生じます。

修繕費、賃貸の仲介手数料も発生します。10年間で2回入れ替わったとしてもその費用で30万~40万円は見ておく必要があります。

それ以外にも募集期間中は当然家賃も入ってきません。

10年間のキャッシュフローが180万円です。そこから2か月づつの空室期間、合計4か月分の賃料が入らず、40万円の修繕費用等が必要と考えると、10年間のキャッシュフローは100万円ほどまで落ち込みます。

しかもその間に家賃は多少下落するでしょう。

となると、10年後の不動産の下落率を考えるとあまりうま味はなくなりますね。

それでも投資用ワンルームが売れる理由。

それはやはり減価償却のマジックです。

節税対策に尽きるということです。

でもわざわざ新築の投資用ワンルームを購入する必要がないということを分かっていただけましたでしょうか?

買うなら中古ですよ。

でもこれは投資用ワンルームの話です。

ファミリータイプの区分所有建物の話はまた別の機会に。

そして、築20年、30年の物件の話はまた次回に。

またご期待ください。

※税金の計算、ご相談は税務署、税理士さんにしてください。今回の試算はあくまで試算です。
自分の経験上のお話しをしているだけですので。
税金、申告のご相談を受けても専門分野ではありませんのでお答えできないので悪しからず。