最近車を購入する時の選択肢として残価設定型のローンというものがあります。
3年後や5年後に売却する時の金額を差し引いた金額でローンを組むというものです。
例えば300万円の車を新車で購入し、3年後の下取り金額を150万円で設定していたとしたら150万円を3年かけて支払う。3年後に残りの150万円を一括で支払うか、またその時点で再ローンを組み直すかというものです。
通常300万円に対して組むローンが150万円のローンで済みますから、毎月の支払金額が安くつきます。
気軽に毎月安い支払いで新車に乗れるので人気を博しています。
ただ、あくまで目安の下取り金額で設定していますので、途中で事故してしまったり、走行距離が伸びてしまっていたりすると車を手放す際に価格が下がってしまい、追い足しが必要になることも出てきます。
当然メリットとデメリットがあるのですが、最大のメリットは同じ支払い金額で倍の価格のクルマに乗れるということでしょう。
逆にデメリットはローンの支払い期間が終わってクルマを返却しても手元にお金が残らないということでしょう。
通常なら中古車で売却しても3年後なら半額くらいの金額では売れるでしょうし、その売却した金額を頭金にして次のクルマを購入することができますが、残価設定型の場合は最初からその金額を差し引いて設定していますので返すだけで終わってしまいます。
最初にたくさん払って後から戻ってくるか、最初安くして後から戻る分を無くすかという選択肢です。

最近車の話だけでなく、生命保険の商品なども従来とは違う形の商品が増えています。
解約返戻金を少額に設定している商品などで、毎月の支払い額が安くなるように設定されています。
不動産でもそんなローンが出来ないものでしょうかね?
例えば、3000万で購入した物件を10年後に2000万で残価設定型して1000万円に対しての住宅ローンを10年間で払い込む。
そうすると毎月の支払い額は金利1%で87,600円になります。
この金額で新築に住め、しかも売却する際に残債が残らなければ住み替えもスムーズになります。
もちろん地域性や建物の造り、間取りなどによって下取り金額は変わってくるでしょうから一概には言えませんが、最初からインスペクションなどを組み入れていけば不可能ではないような気がします。
新しい形の不動産の流通として何年後かには実現してほしいですね。
そうなれば中古市場の活性化にも役立つでしょうし、賃貸物件と同じように購入物件の住み替えという形も一般化していくようには思えるのですよね。
以前あったステップローンよりは現実味があるとは思うのですが。
25年ほど前にあった住宅ローンの一つですが、当初5年間は支払い額を低額に抑え、その後は給料が上がっているから支払い金額が増えても返済可能だという触れ込みのローンがありました。
その後バブルは完全に崩壊し、給料が上がることもなく、不動産価格は大きく下落し、破綻者が続出しましたが、この手のローンよりは現実味というか、ローンを組む方にもメリットがありそうなのですが、中古住宅は20年で建物価値がほとんどなくなってしまうというおかしな神話がなくならないことには現実化は難しいかもしれませんね。

いずれにせよ今後の不動産業界を考えた時に業界のガラパゴス化をなくしていかないと難しいところがあります。
不動産業界は古くから変わらない風習、慣習に囚われてなかなか変えることができないまま進んできている業界です。
いまだにネットに掲載されている物件をそのまま買い物カゴに入れて購入することもできません。
ない商品がそのまま掲載されていたり、店頭まで行かないと契約すら出来なかったりします。
こんな業界は今や不動産業界くらいのものです。
画期的な変革、超変革しないことには生き残っていけないと思っているのは私だけでしょうか?

クルマのディーラーなんかは、TOYOTA、NISSAN、HONDAなど大手が足並みを揃えれば一気に業界の流れを変えることが出来ます。
ハイブリッドカーも然り。
でも不動産業界って小さい会社の集まりですから、なかなか一つの流れに沿って動いていくことが出来ません。
でもそれがまた今業界で生き残っている人たちにはいい流れなのかもしれません。
政治の世界でもそうですが、主権を握っている人たちにとって改革というのは自分の立場も危うくするものであり、積極的に進めていきたいものではないのでしょう。
でも将来を見通した時に、自分の下の代、子どもや孫の代まで永続する流れを作っていくためには改革は必要です。
そのための犠牲は先代が担わないと後世にツケの後送りをしてしまいます。
今の年金問題もそうです。
今がよければいいという考え方では10年先、20年先が見えなくなります。

10年先、20年先もこの業界が生き抜いていけるための改革は必要ですね。

私はとりあえず自分が10年先の将来が見えるようになるために今頑張っています。

南の島で昼間からのんびりビールを飲んでいる姿をイメージして(笑)

皆さんもそうなれるように頑張りましょう。