今日大阪市の競売物件情報を見ていて、少し気になったので謄本も取得した物件があります。

大阪地方裁判所 本庁 平成28年(ケ)976号の物件です。

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こちらは大阪市東住吉区にある収益一棟マンションです。

鉄筋コンクリート造3階建 昭和60年1月築

延床面積:529.9㎡ 土地面積:314.08㎡

全部で16部屋の集合住宅です。

1階が2DK3室と店舗。2階が1Kユニットバスのタイプのお部屋が8部屋、3階が1LDKのタイプで4部屋。

最寄りは近鉄南大阪線『矢田』駅徒歩8分です。

建ぺい率60%、容積率200%の第2種中高層住居専用地域で、前面道路も公道2方向に接している角地の物件になります。

検査済証はありませんが、容積率オーバーとかの物件ではありませんので、遵法性に問題があるわけではなさそうです。

現況で調査書によると月額652,240円(共益費、水道代含む)が入っていることになります。

まだ、2部屋(店舗と1LDK)が空いていますので、満室になると月額70万円を超える家賃収入が見込めそうな物件です。

これだけの家賃収入があってもローンを支払っていけなかったのでしょうか?

『借入額が大きかったのかな?』

『それとも他の事業での借り入れがあり、家賃収入の分もそちらに充当していたのかな?』

そう思い、謄本を取得してみると平成25年11月借入、ス〇ガ銀行から借り入れていました。

ここからは推測です。

借入金が抵当権の額だとすると11,100万円。

金利が4.5%。(これも謄本に記載してある金利)

返済期間30年とすると、毎月の支払額は562,420円です。

先ほどの家賃収入が65万円ほどなので、そこから管理費、水道代、固定資産税などを支払うとギリギリの金額になります。

空室が発生したり、給湯器の故障など設備の故障が発生すると対応しきれません。

入居者の供述でも〇〇が悪いのですが直してくれませんという供述がいくつか出てきます。

競売にかかってしまうくらいですから、ローンの返済を滞っていたわけなので、直したくても直せないという状況になっていたのかもしれませんね。

平成25年に購入しているはずなので、RCの耐用年数47年から逆算してもその当時ならまだ20年の返済期間でもう少し安い金利で調達できたはずです。

仮に金利1.5% 20年返済だと支払額は535,625円です。

これでもキャッシュフローは残りません。

仮に9,000万円程度の借入額だったとしたらどうでしょう?

支払額は434,290円。

満室時の想定賃料の6割くらいなので、少し余裕を持って返済できたかもしれません。

8,000万円なら支払額は38.6万円。

ここまでくると入退室があっても難なく支払いはしていけたはずです。

しかも20年返済なら元利均等で組んでも、5年後には残債は約3/4まで減っています。

そうなると、物件を売り払って残債を返済することも比較的容易だったかもしれません。

購入時に物件選びに失敗しても、借入金融機関、返済条件で失敗をしなければリカバリーできます。

でも、物件選びと借入条件、2つとも失敗すれば打つ手はなくなってしまいます。

金融機関でも厳しい見方をするところは、稼働率6割で計算します。

せめて満室想定の6割までには返済比率は抑えなくてはいけません。

でもそんな物件なかなかないでしょ?

そうなんですよね。

じゃあ、買わなきゃいいだけです。

返済比率がもし高くても、短期で返済しきれるなら、現在余力がある事業者の方ならアリだと思います。

サラリーマンの方がこのような買い方をしてしまうと残念な結果が待ち受けます。

この所有者の方がサラリーマンの方なのか、事業者の方なのかは分かりませんがいずれにせよ返済比率に問題があったのかもしれませんね。

こんな物件がこれから全国各地で出てくるかもしれません。

競売でなくても任意売却の案件は多く回ってきています。

この物件がいくらで落札されるかとても興味を持って見ていますが、もし入札希望の方がいらっしゃればお声がけください。

お手伝いいたします。

また、今回の物件以外の入札もサポートしていますのでお気軽にお声がけください。

物件の詳細についてはこちらからもご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。

それでは。