スルガショック

不動産業界にとっては大きなニュースです。
リーマンショック以来の大きなネガティブニュースになるかもしれません。

金融庁から業務停止命令が出るんじゃないかと言われていますし、他の銀行のアパートローンにもメスが入りそうです。

このニュースを見て、みなさんはどう感じましたか?

悪いのはスルガ銀行?
不動産業者?
話に乗っかっちゃったお客さん?

騙された人に全く非がないかと言えば、そうは思いませんが、明らかに悪いのは不動産業者です。
スルガ銀行は、他行が貸さなかった案件に融資を付けてくれたのですから、悪者っていうより正義の使者だったような気もします。

使い方によってはね。

私自身、スルガ銀行の金利で、しかもフルローンで購入するメリットを見出せなかったのでうまく活用はできませんでした。

いろいろ考えましたよ。
築古物件ならどうなんだ?
短期で売り抜けるならこの金利カバーできるんでは?
結論から言うと、短期で売り抜けそうな物件ならもっと金利のやすい他行で融資が受けられ、築古物件なら出口を考えて購入金額を割り出すとその金額なら他行で融資が受けられ…

結局、他行で融資が付かなかった案件にスルガ銀行なら貸してくれると言うので、そこから試算してみるという使い方になってしまっていました。
でも、購入後のシュミレーションを入れてみると
『うーん。空室が2割出れば毎月のキャッシュフローが赤字に転落する…』
『5年後の大規模修繕の費用を捻出できない…』
『そもそも毎月1部屋空き部屋が出ると、修繕費用で前月のキャッシュフローまで吹き飛んでしまうぞ…』
お客さんに勧めれる数字が出てきませんでした。

スルガ銀行
『それでも借りたいって言うなら貸してあげる。』
ねっ。
天使じゃないですか。
使い方を間違えてるんじゃなくて、うまくその銀行を利用してお金儲けをしていた業者がいてたってことでしょ?
先日のニュースで融資承認率99%とかっていう話が出ていましたが、不動産屋さんにとっては神様みたいな銀行ですよね。

悪いのは使う側です。
ここまでずっーと不動産屋の悪口を言ってきました。

一部まともな不動産業者もいますが、そこそこの確率で悪い業者さんに出会う確率が高い業界です。
その不動産業者に、自分の大切な資産を任せて大丈夫ですかというお話が今日のテーマです。
前置きが長くなりましたが。(笑)

例えば、今の時代要らなくなった洋服、バッグ、靴さえもメルカリなどのフリマアプリで簡単に売却できます。

中古家具なんかもジモティに載せれば、近所の人が有料で(お金を払ってくれて)引き取りに来てくれます。

何でもかんでも、自分で不用品をお金に変えれる時代です。

なのに、何で自分の空き部屋は不動産会社に任せっきりなんでしょう?

過去は全く逆のことを言っていましたが。(笑)
『個人対個人で契約したら、リスクがたくさんありますので、不動産業者に間に入ってもらったほうがいいですよ。』
過去の自分

『個人対個人で契約したら、無駄な手数料も要らないですよ。何でもそうしないんですか?』
今の自分

『考え方が変わっただけでしょ?』
あはは。
それもありますが、過去と今では大きく違うことがあります。
まず、昔はポータルサイト、もっと遡れば賃貸雑誌やチラシ、看板、不動産会社への飛び込み客だけが集客材料でした。
これは個人家主が全く介入する余地のない集客フィールドです。

今はどうでしょう?
もちろん今でも不動産会社への飛び込み客、これはありますが、割合がかなり減っています。
チラシ?
郵便ポストに賃貸のチラシが入ることって少なくなっていませんか?
不動産業者の集客がネット重視に偏重しているからです。
ポータルサイト
これは今の不動産会社の集客の柱です。

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でも、このSEO昔と今では全然違っているんですよね。
サイト全体のSEOをかけてたのが昔の話、今はスモールワードで検索に引っ掛ける、物件名とか町名とか。

つまり、検索の仕方が以前より絞り込んだ方法に変化してきているということ。
お客さんの要望もどんなニーズにも応えれるくらい、いろいろな物件が存在します。
ペットOK、敷金礼金なしなんて物件は今の世の中溢れかえっています。
その中で自分の物件を選んでもらえるかどうかは、どう自分の物件をプロデュースするかにかかっています。
その大事な物件のプロデュースを不動産会社の営業マンに任せて放ったらかしにしていると、築年数が違う、間取りが違う、家賃が違う、こんな目に合うことも覚悟しておかなければいけません。

自分の物件を一番よく知ってるのは誰ですか?
オーナー自身ではありませんか?
もし、そうでないならそれはもう・・・

オーナーになる資格ないかも・・・

写真撮影一枚とっても、雨の日、曇りの日、晴天の日によって全然違います。
また時間帯によっても大きく変わります。
同じ日、同じ時間に撮影していてもカメラマンの腕によって出来上がった画像は大違いです。

仮にその写真撮影を自分や営業マンではなく、プロのカメラマンに依頼したらどうなるでしょう?
その画像ファイルは自分のものです。
複数社ある賃貸業社さんにそのファイルを渡してあげれば、そのままポータルサイトにUPしてくれることでしょう。

『カメラマンに撮ってもらうっていくらかかるの?数万円?』

そう思うでしょ?

今の時代、フリーのカメラマンさん、カメラマン志望の学生さんと繋がることは難しいことではありません。
誰かのツテを頼ってもいいでしょうし、ジモティなどのサイトで募集するのもアリかもしれません。
私の場合、民泊物件をいつも懇意にしてくれているカメラマンさんに頼んでいます。
料金は1万円もかかりません。
ただ、申し訳ないので同時に複数部屋撮ってもらったり、違う現場の撮影もお願いしたりしていますが。

自分の所有物件の写真だけでなく、近所のお店紹介、自慢の設備、セールスポイントなどをどんどん自ら発信していきましょう。

ついでに物件紹介用にブログでも始めてみるのもアリだと思います。
オーナーさんのこだわり考え方共感する入居者さんも集まってくるかもしれません。
本来オーナー業ってそういうものだと思います。
賃貸物件が飽和状態になり、数年後の空き家問題も深刻になってきています。
その中で設備や条件で差別化していくのも限界に近づいています。

今シェアハウスと言えばネガティブイメージがありますが、もともとこのシェアハウス、昔でいう下宿なのかもしれません。
数年前は起業家向けのシェアハウス、母子家庭だけのシェアハウス、猫と同居するシェアハウスなどコンセプトハウスと言っていいほど多様化していました。
最近でもプライベートジムを完備したシェアハウスも人気だそうです。

プライバシー重視、隣人の顔も知らない、そんな時代もありました。
でも、部屋で一人でゆっくりもでき、共用スペースでは同じ境遇の仲間と過ごすことができるというこういう空間に需要があったのも事実です。

下宿と言えば寮母さんがいて、その人柄に惹かれて集まってきた学生さんたちもいました。
オーナー自らの人柄で賃借人を集めることができれば無敵でしょ?

路地裏の名店、山奥のパン屋さん、テレビで紹介されるほど流行っている店は日本中にたくさんあります。
立地・価格だけで勝負する時代は終わっています。

これからは、この部屋に住みたいではなく、このオーナーの部屋に住みたい。
こんな時代になるかもしれません。

信じるか信じないかはあなた次第です。(笑)

まぁ、いずれにせよ努力はしましょ。
自分の物件を紹介するブログを立ち上げるのに数時間あれば実現できます。

簡単なことから始めませんか?
何事もはじめの第一歩です。

不動産屋さんに頼らない賃貸経営、これが空き家対策への一番の鍵だと思っています。

私は不動産屋さんなんですけどねー。(笑)

不動産屋ですけど、賃貸オーナーでもありますので、お仲間の発展を願っています。

それではまた。