うちの会社は代表営業マン経理等の事務で私が動いています。

一人何役もこなすわけですが、一番重要なお客さまと向き合う仕事以外はついつい後回しにしてしまいます。

請求書作らなきゃ。

通帳記帳に行って入金の確認をしなくちゃ。

こんな仕事はついつい後回しです。

管理料の請求を忘れていて1年分くらい遡ってご請求させていただくこともありました。

金額が小さいので私が請求していなかったのですが、度々こんな感じでお客さまにご迷惑をおかけしてしまっています。

小さな会社で起こり得る光景です。

そんな小さな会社でも継続してお仕事をいただいているということは大変ありがたい話です。

仕事が忙しくなればなるほど、そういった事務的な仕事ができなくなってしまいます。

みなさんどうしているのですかね?

事務員さんを雇おうかと考えたことももちろんありますが、そうなると給料、社会保険、雇用保険などを考えると20万円では利かないですよね。

でも事務員さんがいなため、会社に誰もいないなんてこともザラにあります。

機会損失

という言葉がありますが、新規のお客さまが来店する機会を失っているのも確かです。

でも、新規のお客さまが来店しても対応しきれない状態であることもまた事実です。

そう考えると、事務員と営業マン2人必要になります。

うーん・・・

このままでいいか・・・

これが今に至る経緯です。

自分が営業(接客)している限り、会社のポリシー(指針)は必ず守られます。

お客さまに対してのサービスも一貫したものを提供できます。

ここが一番私にとって重要なファクターなんですよね。

ライフコンサルティングという会社は私そのもの。

このスタンスを変えることができない限り、人を雇い入れることなどできません・・・

やっぱり一匹狼なんでしょうね。

狼という表現は正しくないような気もしますが。

他人に嚙みついたり吠えたりしませんし、そもそも狼というより今は見た目が牛のように大きく丸くなってしまっています。(笑)

一匹牛となると、なんだかおいしそうに聞こえますね。

お肉を食べたくなってきました。(笑)

一人で会社を切り盛りしていると、多くの営業マンを抱える不動産会社に比べて集客力が大きく落ちます。

宣伝広告活動も制約を受けます。

制約を受けるといっても強いられているわけではなくて、労力的にとコスト的にという意味です。

そうなると力を入れるところは集客ではなく、一人一人のお客さまを大切にしていくことにシフトしていきます。

時間も手間もかけて向き合っていくことになります。

そりゃ時間が足りなくなりますよね。

物件調査をするのに1日では終わりませんし、物件提案するにも資料作りからセールスポイントの整理、デメリットの検証とやるべきことがたくさん生じてきます。

一つの仕事が片付けば、ほっとする間もなく次の仕事へのアプローチが始まります。

こんなことを一生続けていくのだろうなと、最近なんとなく感じています。

あっ。

悪い意味や変な意味ではないですよ。

だってこの仕事は好きですし、何より人に必要とされているという喜びを感じれるのは今の仕事の醍醐味でもあります。

先生と呼ばれる仕事に憧れを持ちました。

でも残念なことながらそう思ったのは大人になってからです。

学校の教職課程を経たわけでもなく、学業が優秀だったわけでもない私が先生と呼ばれる仕事に就ける道はありませんでした。

それからそんなことを考えていたことも忘れて仕事に没頭していたころ、お客様から悩みの相談を受けました。

もちろん不動産の事についてです。

借地の上に建物を所有していて地代を払っていたお客さまからです。

建物は40年以上経過していて少し傾いている建物でした。

自分は施設に入るのでこの不動産を処分したい。

でも借地だからどうなるのか分からないというものでした。

この物件は借地権付建物です。

借地権という権利は一般的には登記簿上には記載されません。

登録することもできるのですが、建物の所有権を持って借地権と見做すというのが見解なので特段手続きをする必要がないのです。

このお客さまも建物の所有権は自分名義になっているということはご存知でした。

でも建物を取り壊して、土地を更地の状態に戻して返却しないといけない。

建物は古いので値段など付かない。

解体する費用もないし・・・

と困っておられた状態でした。

そこで、ある知人を通じて私にご相談となったわけです。

私がそのお客さまにお話したこと。

①借地権でも売買ができること

②建物が古くても買い手は現れること

③借地権だからと言って土地値が0じゃないということ

大きくはこの3つです。

立地がとてもいい物件だったので、賃貸用としての需要が見込めそうだったのと、路線価を見ると借地権割合が60%だったこともお話しました。

路線価で見て㎡単価15万円ほどの場所でした。

40平米ほどの土地なので、これで600万円です。

さらに借地権割合60%なので、360万円。

これが路線価を基準にした借地権の金額です。

実勢では倍ほどの価格で取引されている場所でしたから、もう少し高くでも購入者が現れるかもしれないよということもお伝えしました。

500万円ほどでは売れるかもしれないと提案しましたが、お客さまにとってはお金が入るということではなく解体費用などのお金を出さなくてもいいということに対して、とてもほっとしていました。

借地権の売買には借地契約の引継ぎと新地代の交渉が必要です。

借地契約を引き継ぐ際には名義変更料なども支払う必要があります。

そのあたりは売買に際して必要なことなので底地の所有者さんにコンタクトを取る必要があります。

所有者さんの連絡先を聞いたのですが、長年お世話になっているので私から連絡が入る前に自分でご挨拶に伺いたいというお話でした。

そのご挨拶に行った際に、地主さんから買取りの提案を受けその提示された金額で売り渡すことに合意したそうです。

金額は私が提案した数字よりはるかに安い金額でした。

でも、そのお客さまにとっては借りたものをお返しするだけ

お返しする際にお金までもらって申し訳ない。

こう思ったそうです。

お客さまにとっては解体費用の負担(100万円~150万円)マイナスのつもりでしたから、200万円の売買代金でも上下300万円~350万円得した気分だったそうです。

もったいないなとは思いましたが、ご本人が合意しているのなら他人が口出しする話ではございません。

ご相談料もいただきましたし、お客さまも喜んでおられました。

高く売るだけが仕事ではないということですよね。

こういう相談は大手の不動産会社にはできません。

数万円の相談料をいただいたところで上司の叱責にあいます。

でも私の現在の立場ではこれでいいのです。

仲介手数料やコンサルフィーで高額の報酬を得ることができなくても、お客さまの満足度はMAX。

これが理想にする仕事の形です。

一人で小さな会社で継続していくためには一番重要なことはこれではないかなと実感しています。

私の友人の会社も同じように、専門的な仕事で顧客のハートをがっつりと掴んでいます。

事業用不動産に特化した会社、競売に特化した会社、医療系建築のコンサルに特化した会社、その分野では私が逆立ちしても勝てない知識を持ち合わせています。

私がお客さまの様々なご要望に応えれるのも、そうした友人の力添えがあってのことです。

一人しかいない会社だから心配??

逆ですよ。

少数精鋭で頑張っている会社の方が信頼できる知識、そしてしっかりとしたブレーンを持っています。

何でもかんでも請け負う弁護士事務所より、刑事なら刑事、離婚問題なら離婚問題に特化した弁護士先生の方がその分野ではエキスパートですよね。

私たちの仕事もこれからはそうした業界内の細分化が行われてくるようになるかもしれません。

細分化というより、区分け・住み分けですよね。

専門的知識が求められるために私たちが存在し、どの分野の専門であるかそれぞれの会社が明確化する。

担当者は全てその道のエキスパート。

それぞれの分野の専門家がより集っている会社。

こうなればお客さまにとって大変心強いですよね。

金融のプロと収益のプロ、賃貸部屋付のプロ、管理のプロ、これらすべてが揃って完璧な不動産賃貸経営ができるわけです。

入り口の部分で間違った物件選択をしたり、融資付けで失敗してしまったらもうあとはどれだけ管理や部屋付けを頑張っても取り返しはききません。

逆に最初にどれだけいい物件を選んでも、いくら安い金利で資金調達しても、満室経営に近づけなければこれも意味がありません。

私は全ての業務を一人でできるわけではありませんから、それぞれの専門家に助けを乞うわけです。

でも本当なら一緒の一つの会社でできれば最強ですよね。

ただ、それぞれの分野で秀でている人は、もうすでにその時点で十分な報酬を得る機会が与えられていますから、なかなかそういうわけにもいきません・・・

結局誰かの協力を得ながらという形になってしまうのでしょうね。

なんやかんやとだらだらした文章になってしまいましたが、自分しかできないサービスって何だろという話が本題でした。

『自分しかできないサービス』

それを見つけるのが、小さな会社で闘う唯一無二の手段です。

私の場合は、失敗しないための知恵と戦略。

これをみなさまに伝授できること。

たったこれだけのことです。

リスクヘッジするためにどうすればいいか?

物件を選ぶときにどういった点に注意すればいいか?

また、どういう方向性で進めていけば自分が設定しているゴールに近づけるようになるのか。

それを示唆することです。

毎月決まった本数契約を取らないといけない立場でもないですし、売らなければいけない物件のノルマもありません。

フリーランスな立場で、お客さま側に立つエージェントとしての地位を確立していきたいなと思っています。

購入する際にはバイヤーエージェントとして、売却する時にはセラーズエージェントとして。

欧米かぶれかという声も飛んできそうですが、アメリカのような一般の方にも一目置かれるような不動産屋さんでありたいと思って、はや25年

四半世紀が過ぎました。

でもまだまだ修行中です。

お金より感謝の言葉を欲する夢見るおじさんです。

そんなおじさんでいつまでもいれればいいなと思っています。

やっぱり私には会社経営は無理ですね。

エージェントって言ってしまっていますし、いつまでもやはりお客さまと向き合っていたいなと思ってしまっていますから。(笑)

というわけで、これからも株式会社ライフコンサルティングは決して大きくはなりませんが、いつまでもみなさまの傍にいたいと思っています。

末永くよろしくお願いいたします。

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