先日かぼちゃの馬車サブリースの賃料を払えなくなり、オーナーが困っているというニュースが報道されました。

月額100万円ほどのローンを組み、月額120万円ほどの保証家賃を受け取る、大まかに言うとこういうことなのですが、サブリースは一棟全体で行うこともあれば、一室単位でサブリースを受けることもあります。

本当にサブリース会社が破綻すると一円も家賃が入ってこないのという疑問をお持ちの方もいるかもしれません。

なので今日はその説明を。

サブリースというシステム。

サブリース会社

物件所有者からサブリース会社がまず物件を借り上げます。

そして、その借り上げた物件を一般のお客様に貸し出します。

つまり転貸借契約を結んでいます。

なので、サブリース会社が破産など万一のことがあった場合、サブリース会社との契約を解除し、入居者に直接家賃を請求することも可能になります。

そのためにはまずサブリース会社との原契約を解除すること、入居者との賃貸借契約を撒き直すことになります。

早々に動いていけば、当月分の賃料は回収できなくとも、翌月の賃料からは入居者から徴収も可能です。
損失は0にはできないかもしれませんが、ニュースで報道されているように大家が破綻という話までは発展しないはずです。

そもそも一月分の賃料が入ってこなくてローンの支払いができない状態なら、困ったものだと思います・・・

話は戻りますが、借り上げた賃料と貸し出した賃料の差額がサブリース会社の収益となります。

その他に、物件管理料として月額いくらかの管理料を徴収したりするのですが、そんなに差額は大きいのかと言うとそうではありません。

一般的には賃料相場の85%〜90%で借り上げをしているケースが多く、その差額だけではなかなか事業としては立ち行きません。

入居者から取得する礼金をサブリース会社が取得することにはなるのですが、現状の賃貸市場ではその礼金分はほぼ仲介会社(入居者を斡旋する会社)に支払いますから、そこでも利益は生み出しません。

では、どこで儲かるの?

という話ですが、新築時には着工後2ヶ月〜3ヶ月の支払い猶予期間を設けます。

その間に入居者が入居しても、サブリース会社が賃料を取得しますよ、その代わり入居者が入居していなくても猶予期間が経過すると賃料を支払いますという契約が一般的ではないでしょうか。

つまり新築後なかなか満室にならない物件は赤字に陥り、さらに予定賃料よりも安く貸し出すことになるのでもっと儲からなくなるわけです。

それならサブリースなんてなんでやるの?

サブリース会社は一つや二つの物件を扱っているわけではなく、数十件、数百件の案件を取り扱います。

ならして考えれば一物件、二物件の赤字は大したことがない。

それが理由でしょうか?

サブリースを本業としている会社の中には、赤字にならないような賃料設定をし、物件単体で決して赤字にならないように組み立てているはずです。

でもそうなると、オーナー側にとっては安い賃料で借り上げられることになり利益は生みません。

利益を生まないということはサブリース契約を結ばないということになります。

では、なぜいまこんなに多くの物件でサブリースが行われているのか?

それは、サブリース会社の多くが建築会社、ハウスメーカーの子会社であったりするからです。

サブリースを付けることにより融資も付きやすく、建築単価もそれに伴い上がることになります。

そこでカバーできれば、毎月の収支が例え赤字になったとしてもトータルの事業としては成り立ちます。

建築会社のサブリースは保証家賃が高い。

そこにはそういった大人の事情があるわけです。

ただ、大東建託などは、サブリース事業単体で赤字にならないよう、業者仲介の仕組みから自社仲介の仕組みにシフトしました。

仲介業者に頼らない賃貸募集、これからはそういった物件も増えてくるかもしれません。

そもそもかぼちゃ馬車に見られるようなシェアハウスなどは不動産仲介業者が紹介するケースはとても少なく、事業者自らが入居者を募るケースがほとんどです。

本来の賃貸募集の形というのはこうあるべきであり、そこで集客ができていれば今回の騒動に発展しなかったのかもしれません。

でもまだシェアハウスというのは、日本ではそこまで認知されていない、需要が供給に追いついていなかった、こういうことなのでしょうかね。

シェアハウスという業態、本来なら大家であるオーナー自らが
『こういう施設を建てたい。運営したい。』
そう思い、運営は手伝ってもらいながら理想像を追い求めていくべきものだと思います。
それが安易に運営サイドの口車に乗ってしまい、あたかも何もせずに収益を生むかのような錯覚を感じてしまい始めてしまったことに問題があります。

騙された側に問題があるというのではないのですが、
賃貸経営=起業
と思っている私には少々疑問を感じてしまいます。
今回のオーナーさまたちは多分
賃貸経営=投資家
の目線で判断していたのでしょうね。
それならば融資を使わず、現金投資すべきであり、少額資金でフルローン、これは少し違うような気がします。

投資家の立場で自ら何もしないという選択肢を選ぶのであれば、余裕資金で行い分散投資すべきなのではと思ってしまいます。

不動産投資は誰でも始めることができ、リスクの少ない投資です。
でも、あくまでそれは自らがパーツの一つとなって行動することが原則です。

募集活動を行う。
管理を行う。
内装工事などの修繕業務を自ら発注する。
それができないなら、せめて自分で融資付をしてくる。
金利交渉をする。

何かせめて一つくらいはやっておきたいですよね。

業者の掌の上で踊らされているようではダメです。
逆に業者を掌の上で踊らすことができないといけません。

融資利用するなら金利1%違えば、1億円の借入で年間100万円キャッシュフローが変わってきます。
自主管理できれば、毎月5%の管理料が浮きます。
内装工事を自ら手配できれば、業者を介してリフォームしていたマージンの分がいくらか削減できます。

全てはこの積み重ねなんですよね。
しかもこの積み重ねは、物件をたくさん取得すればするほどコストダウンしていくことができます。

つまり、複数棟所有しているオーナーと一棟所有しているオーナーでは、ランニングコストも変わってきます。

その辺りを理解しながら不動産投資をしていると、面白いものですよ。

投資家の目線ではなく、常に経営者の目線で賃貸経営をすること。
これが不動産投資で失敗しないためには必要です。

最初からうまくはいきませんが、自らが行動していくことで何かが変わるはずです。

それまでは困ったことがあれば私がお手伝いいたします。
その代わり、多少のマージンは落としてくださいね。
一応ビジネスなもので。。。

最終的には不動産業者を頼らずに賃貸経営できるように。
そこを目標において頑張りましょ。

それまでは株式会社ライフコンサルティングをご利用ください。

ご相談お待ちしております。