京都市が民泊の苦情対策窓口として民泊110番を開設するそうです。
それにしても京都市の民泊に対しての締め出しは徹底していますね。
自治体自ら現況調査を行ったり、今回の民泊110番にしても京都市とすれば民泊完全NGという方向性を明確に示しています。
元々京都は歴史ある街ですし、お公家さんの文化が根付いているのか、外部とは一線を画しています。
関西の三大都市と言えばもちろん、京都・大阪・神戸です。
この三都市は大阪を基点に考えると京都、神戸には1時間で行けるくらい距離が近いのですが、文化には大きな違いがあります。
先ほどの京都は歴史ある街並みを始め古くからの文化、外部からの人を寄せ付けない雰囲気があります。
神戸は港町なので古くから外国人が訪れ街並みを形成してきました。
歴史ある異人館なども多く現存しており、中華街のある南京街を始め外国の街並みさえ想像させます。
神戸の人はお洒落、気取っているというイメージを持っている関西人は多いのではないでしょうか。
そして大阪は商人の街、お笑いの街ですね。
とにかく面白いこと大好き、儲かること大好きです。
食文化も三都市で違っています。
京都はもちろん京料理。
旬の食べ物を食材に味覚だけでなく視覚からも食を楽しむ。
風情がありますね。
神戸はステーキ、神戸牛など肉料理が有名です。
そして大阪はコナモノ文化。
お好み焼きやたこ焼きなど安くて美味しい料理が代名詞です。
串カツも最近では有名ですが、これも安くて美味しいというのがとくかく最初にきますよね。
話は民泊の話に戻りますが、たしかに大阪でも住民からすると100%ウェルカムというわけではないでしょう。
でも大阪ミナミ、心斎橋、日本橋界隈の飲食店にとっては千載一遇のチャンスですよね。
たいして美味しくないラーメン屋さんまでが行列を作っていますし、黒門市場など数年前まで閑散としていたのに今では観光客で大賑わいです。
薬局にも多くの行列が出来ていますし、韓国語、中国語のメニューを置く飲食店が増えました。
民泊を締め出すとこの観光客はどこに行くのでしょう?
考えると恐ろしい話です。
京都は民泊などに頼らなくても観光客は勝手に来るよという姿勢ですよね。
逆に観光客が増えすぎて困っているという話までも。
地方都市からすると勿体無い、この観光客を何とか誘致出来ないかと考えているのにです。
最近では地方都市への外国からの直行便も増えてきているようです。
四国のお遍路さんに外国人旅行客が増えたというニュースもありましたよね。
民泊によりもたらされる需要というのはかなり大きいものがあります。
大阪ではマンションの一室で民泊を行うケースはどんどん増えています。
これによって観光客が宿泊場所を安くで確保できるようになり、観光客の数は今年に入ってからも増え続けています。
そしてその観光客は地元にお金を落としていっています。
宿泊場所の近くの飲食店だけでなく、コンビニや薬局、ドン・キホーテなども外国人だらけです。
そして民泊運営者によりニトリ、IKEA、家電の量販店なども大賑わいです。
しかも大量の家具や寝具を購入していきますから、大阪の店舗の売上って凄いんじゃないでしょうかね?
新しく始める方もいれば撤退する方も増えてきています。
民泊の数が増えると競合しますので、競合に勝てないホストの方は撤退を余儀なくされます。
そうなると家具のリサイクルショップなどまでも潤ってきます。
いったい経済効果はどのくらいあるのでしょうか?
よく試算されているケースでは、旅行代、お土産、飲食代、宿泊費などは試算に含まれていますが、それ以外のお金って計算されていませんもんね。
例えば賃貸マンションを借りて、ワンルームで民泊を運営する場合、最初に部屋を借りるのに30万円ほど、家具や寝具等で30万円ほど。これでも60万円ほど必要です。
5000室あれば、これだけで30億円ですよ。
さらに清掃会社などの需要や取次の代行業者などに毎月落とされる金額などを考慮すると凄い金額になります。
またこういった清掃会社などでは主婦や高齢者などのパートさんの雇用も見られます。
悪いことばかりではないと思うのですよね。
これが地方都市で地域再生の事業の一環として行われていれば大賛成されるはずです。
大阪に西成区という場所があります。
生活保護世帯が日本一というニュースが出ていましたが、地域的に敬遠されたりする地域でした。
でも、観光客にとってはなんばや心斎橋に近く、便利な場所であるのです。
一層の事、民泊特区に指定して簡単な申請で民泊営業出来るってことになれば、一気に投資用ワンルームマンションが増えて地価も上昇し、近隣の飲食店も大賑わいってことになるかもしれませんよね。
先日報道されていた政府案によると住宅地でも解禁というニュースがありましたが、住宅地で解禁することには個人的にはあまり賛成ではありません。
住宅地は人が生活する場所ですから、やはり静かに暮したいですよね。
でも商業地ならいいんじゃないのかなと思っています。
なんば界隈で住んでいる方で静かな住環境を望んでいる方ってそんなに多くないような気がします。
小さな子どもがいる家庭も多くないのですよね。
大阪市浪速区では、小学校がいくつもありますが、どの学校も学年に一クラスしかなく、生徒数も20人程度です。
その中の1割以上が外国人のお子さんです。
同じ市町村でも、この地域はOK、この地域はダメという色分けをすれば共存共栄出来るのではと思うのですが、いかがでしょうか?
大阪市全域でOKとか、全域でダメとかではなく用途地域によって規制したりというのはアリだと思うのですよね。
元々の旅館業でも用途地域によって制限されているわけですから。
そういう規制を撤廃して全域で考えるのはいかがなものかと思ってしまいますよね。
数年前には考えられなかった問題ですので法整備が全然追いついていませんし、急速に整備するのは難しいです。
良いも悪いも賛否両論あるのも当然です。
でも、反対意見ばかり言っていても何も変わらないですからね。
今の日本は観光客受け入れ、外国人労働者の受け入れをしていかないと立ち行かない状況に陥っています。
未来ある若い人の意見も取り入れて、日本の将来を潰さないような法案になって欲しいと期待しています。
そう考えると京都のニュースは残念です。
大阪市は違いますよね?
違うことに期待しています。